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ゆうゆう自適。

つらつら、まったり。つれづれ(不定期)雑記帳。海風薫るロストックから伯林、そして再び東京へ。再びドイツへ「帰る」日を夢見て、今日も今日とてしゅぎょう中。
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DANTON.
Nein, Julie, ich liebe dich wie das Grab.

(Georg Büchner: Dantons Tod, 1835)

ダントン
「いや、ジュリー、ぼくは君を愛しているんだ。墓のようにね」

(ゲオルク・ビューヒナー『ダントンの死』)


時はフランス革命期。
自暴自棄になっている革命家ダントンが、妻ジュリーに向けた台詞。

「墓の中はとても静かだというだろう。墓と静寂は同一のものであるとも。
だからぼくは、お前の膝の上で安らぎながら、土の下に眠っているも同然なんだよ」

……ということらしい。

悲劇の結末を予感させるような、不吉な愛の囁き。
ショックを受けるジュリー。

愛する夫にそんな比喩を使われた日には、ショックを受けるのも当然と思うけれど。
それ以上に、はじめて目の当たりにした「墓のように愛している」という文句に妙な感動を覚えた。
究極だ。


ビューヒナーは10年ぐらい前、授業で『ヴォイツェク』を読んだ以来。
内容はおぼろげにしか覚えていないけれど、なんかエキセントリックな作品だったような印象がある。お墓インパクトでそんな気がするだけかもしれないけれど。

『ヴォイツェク』も含めてビューヒナー4大作品を読み直した上で、改めてビューヒナーについて考えてみよう。


啓蒙期、疾風怒濤、古典古代にビーダーマイヤー、三月前期……。
国語の授業で扱った時代。こうして並べてみると、ロマン派だけごそっと抜けているのが気になる。転校のせいでカリキュラムにズレが生じたのか、なんなのか。



その他、最近妙な感動を受けたのはシュニッツラーのSterben(森鴎外訳の邦題は『みれん』。Emilia Galottiを『折ばら』と訳したり、鴎外のタイトルの訳し方はセンスがあると思う)。
余命1年と宣告された男と、その恋人の葛藤を描いた作品なのですが、男女双方の心理描写に圧倒されました。

シュニッツラーを読む。
今学期、楽しみな授業のうちのひとつです。
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ドイツ生まれ、ドイツ育ちの「なんとなく日本人」。根っからのラインラントっこ。

日本の大学院で現代ドイツ文学を勉強中。ただいま、ドイツにて「しゅっちょう」修行の旅の途中。今やすっかりメクレンブルクの空と大地と海に心を奪われています。
夢は、日本とドイツをつなぐ「ことばや」さんになること。

深刻になりすぎず、でも真剣に。
こつこつ、しっかり、マイペース。がんばりすぎない程度にがんばります。

2010年4月-9月までロストック(メクレンブルク・フォアポンメルン州)、10月-2011年3月までベルリンに滞在。再度ドイツに留学することが、今後の目標のひとつ。

ぽつぽつと、不定期的に過去の日記を埋めていきます。


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