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ゆうゆう自適。

つらつら、まったり。つれづれ(不定期)雑記帳。海風薫るロストックから伯林、そして再び東京へ。再びドイツへ「帰る」日を夢見て、今日も今日とてしゅぎょう中。
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午前中は「出張」。

「こういうのはイカン」と先生にダメ例を挙げられるたびに、「おおうわたしのことか」とどっきりしたり、「まだまだだなあ」と凹んだりもするけれど、それと同時に曇った視界が少しずつ、晴れていくような気もします。

がんばろう。


おとやんが東京に戻ってくるとのことで、急遽「阿修羅展」(東京国立博物館)に行くことになりました。
まず父母+わたしで展示を見て、夜に妹と合流して家族でごはん、という流れ。

 土日祝日は大混雑しているという噂の阿修羅展、金曜の夕方はどうなんだろう?と、どきどきしながら博物館へ。
音声ガイドの貸出に長蛇の列ができるているのには驚きましたが(ナビゲーター・黒木瞳効果?)、展示会場そのものの混み具合は許容範囲。同じ会場で開催されたダヴィンチ展よりは遥かに移動しやすいし、見やすい。

入ってすぐのガラスケース展示だけは、人の流れが停滞していて見づらかったけれど、「主役」の仏像はみな高いところに展示されているので(あるいは見上げるほど大きいので)、ちょっと遠目からでもよく見える。

ずらり、と並んだ八部衆像と十大弟子像が圧巻。
それぞれの立像に特徴があって、姿も表情もみんな違う。

十大弟子像に至っては、「あ、この名前はお経でおなじみだ!」と感動。舎利弗だ、舎利弗だ。
お寺で耳にした物語を再現しながら、像を眺めておりました。

そして、主役の阿修羅像。
これは360度ぐるり、と見ることができるのですが、ものすごい人だかりで一周するのが大変。
流れに身を任せていたら、そのままうっかり半周ほど多く回ってしまいました。ぐるぐる。

背、高い!腕細い!表情が繊細!

造られたのは、1300年前。途方もない時間です。

一通り観終わったあとも、八部衆像・十大弟子像・阿修羅像をもう一度見たい!ということで、さくっともう一週してきました。よかった、よかった。満足。


阿修羅像の人気が高いのはわかるけれど。
公認ファンクラブまであって、更には「阿修羅フィギュア」まであって、それが完売してしまうほど大人気だとは知らなかった……。

え、なになに?
阿修羅って日本ではそんなに愛されているの?
わたしが知らないだけ?


その後、妹と合流して、夜ごはん。
家族4人、こうして外で合流して食事に行くのはひさしぶりかも。

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一日遅いエントリになりますが、昨日、国立西洋美術館の「ルーブル美術館展」に行ってきました。

午前中に大学(本拠地)に足を運び、用事を済ませてからおとやんおかやんと合流。
平日だから空いているかなあ……と思っていたら、予想以上に盛況でびっくりと、いうことは、土日祝日はもっともっとすさまじいことになっているんだろうなあ

見知らぬおばさんやカップルにばしばし突き飛ばされながら、よろよろ観覧。いい展覧会でも、人が多いとそれだけで疲れるー
展示数が比較的少なめなこともあって、テーマ別セクションも3つとコンパクトな構成でした。そのせいか、いつもよりも絵の区分がわかりやすかった気がします。貴族や平民の日常を(率直にせよ意図的にせよ)描いたもの、神話モチーフを用いた絵や宗教画など、大まかにまとまっていたのがよかった。


はじめて間近にフェルメールの絵を観ました(大概遠巻きに見て終わり)。目玉のひとつだから絶対人が殺到しているかと思ったのに、意外とそうでもない。……絵が小さいから?

トロイア戦争、それも(日本人にとってはおそらくマイナーな存在であると思われる)英雄アイネイアスを取り上げた絵が何枚かあったのに感激。ぜひともポストカードを……と思ったけれど、残念ながらありませんでした。がっかり。

気になった一枚はジョルジュ・ド・ラ・トゥールの「大工ヨセフ」。一応宗教画なんだけれど、ろうそくの明かりに照らされた父と子のアイ・コンタクトが強く印象に残りました。今回はこの絵のポストカードを購入!


おもしろかった……けれど、こうも人が多いと、観終わる頃にはくったくたになってしまう(立ったまま、いや、歩きながら眠ってしまいたい気分だった)
観に行ってみようかな?という方は、午前中か閉館30分前(美術館のボスの助言)がおすすめ。閉館30分前の場合は、まずざーっと全体を見て、そのあとお気に入りの絵をゆっくり見るのがポイントとのこと。

「好きな画家は誰?」と尋ねられたなら、まず最初にポール・セザンヌの名前を挙げる。(次点はジョアン・ミロ)

セザンヌ主義展を見に行く、と言った際、先輩に「YuNさん、セザンヌの絵がわかるの?」「セザンヌのどこがいいの?」(どこが気に入っているの、の意)と訊かれた。

セザンヌがわかるのか、と問われれば「わからない」と答えざるを得ない。
(そもそも、描くにしても見るにしても、絵心がないことは自分が一番よくわかっている!)


でも、「すき」と感じることだけはわかる。

まじめに芸術作品を鑑賞する人に「けしからん」と言われても、今の自分には感覚的にしか作品を楽しむことができない。好きな作品の背景を勉強したりするのはすきだけれど、絵を見ただけでその素晴らしさを言い表すことなんてできない。
だから「すきかきらいか」で判断することになってしまうけれど、今はそれでいいか、とふてぶてしくも開き直ってみる。


そんなわけで、セザンヌが好きです。

きっかけは美術の模写課題。
(そうとは知らずに)二回連続でセザンヌの絵を選んで、以来、セザンヌの絵に親近感を覚えるようになったのが、そもそものはじまり。

幻想的な湖の風景画と、帽子をかぶったおじさんの絵。
はじめて見たセザンヌの絵。そして、一番印象に残っているセザンヌの絵。

10年近くずっと、セザンヌはわたしの中で「風景画とおじさんの絵を描く画家」だった。
今回のセザンヌ主義展では、よくも悪くもそのイメージが変わった。いや、性懲りもなく「風景画とおじさんの絵を描く画家」なんだけれど、それはセザンヌのほんの一端に過ぎないのだと実感した。
彼が描いた自画像や、妻の肖像画は、件のおじさんの絵とまったく印象が違う。風景画も、自分の中で印象に残っている一枚とは違う。


でも、セザンヌだ。
湖の風景画もおじさんの絵も、そこにちゃんとある。
(当り前のことかもしれないけれど、今までの自分にはこの認識が抜け落ちていたんだなあ)


セザンヌのほか、セザンヌの影響を受けた画家の絵も数多く展示されていて、それがまた面白かった。マティスがいて、モディリアーニがいて、ピカソもいる。そして、日本の画家も。
セザンヌの作品を、後世の画家の作品を並べると、セザンヌがどのように吸収され、独自のかたちで表現されたかが見られて(見られたような気がして)興味深い。

ぱっと見、マティスもモディリアーニもピカソもセザンヌとまったく違った描きかたをしているようにか見えないのに、……つながっているんだなあ。


時間が押していたため、あんまりゆっくり見られなかったのが残念だけれど(やっぱり美術館はひとりでゆったり心行くまで見るのがいい……)、行けてよかった。

もっともっとじっくり、セザンヌが見たくなった。


以上、感覚的なレベルで展覧会を楽しんだ感想!

@松下電工汐留ミュージアム。
ジョルジュ・ルオーの作品を数多く所蔵している美術館。その開館五周年も兼ねた展示会。

醜の中に美を見出す。
社会の最下層に属する人々を描く。

雨の日に、照明をぐっと落とした美術館に足を運ぶ。
ずっしりとのしかかる重厚感。「哀愁」でも「沈鬱」でもなくて、……うまくことばにできない。

ルオーの絵を見たのは、今回がはじめて。
色彩と、厚みのあるタッチと、「深い瞳」がとても印象に残った。
部屋に飾りたい!とまでは思わなかったけれど、どうしても目が離せない、そんな不思議な気持ちになる。


マティスは、鮮やかな切り絵シリーズ『ジャズ』がよかった。
「これはなにを表しているのかな?」って考えてから、タイトルを見る。なるほどって、うなずく。
ハサミは鉛筆以上に素描に適した道具らしい。

ふたりの師・モローの絵も展示されていたので、最初は誰が描いた絵なのかちょっと混乱したけれど(弟子入りした直後は、師匠も含めてみんなどこか似たり寄ったりなタッチで絵を描いてる)、徐々にそれぞれの個性が出てきて、なかなか楽しかったです。

入館料が割と安めだったので、小規模なのかと思っていたけれど、期待以上。


……どうでもいいけれど、「松下電工」ミュージアムって、松下電工がパナソニックになったら名前変わるのかな?



バウハウス・デッサウ展 BAUHAUS experience, dessau

本日より開幕


先週の土曜日(引っ越しの翌日!)から昨日まで、日曜を除いた6日間、バウハウス・デッサウ財団のドイツ人学芸員2名の「にわか通訳」としてお仕事していました。毎日、朝が早くてつらかった……

学芸員のそばについて、コミュニケーションの橋渡しをするのが主な仕事。
……といっても、学芸員も展示スタッフもみんな英語が話せるし、監修の先生はドイツ語も話せるので、どちらかというと「サポート要員」くらいの位置づけ。学芸員がもくもくと作業をはじめると、特にすることもない。最初のうちは、昼食時くらいしか活躍の場がなかった(笑)。


学芸員2名、BさんとSさん(実は師匠とお友達)はとってもやさしい方々で、すぐにだいすきになりました。
ふたりともやさしくておちゃめで、でも仕事に対しては真摯。格好いいそして可愛い!タイプのおじさまでした。

バウハウス初心者のわたしに対しても、いやな顔ひとつせず丁寧に説明してくれて、お話を聞くのが本当に楽しかった。(バウハウス・レベル、0から3くらいにはなったかな?)
仕事の合間の雑談も楽しかった。日本にとても興味を持ってくれていて、うれしかったな。


いろいろありました。

展示が完成するまでの過程を見たり、
商談に関する話を耳にはさんだり、

自分の知らない「舞台裏」。
本当に本当に、貴重な機会。

学芸員のスピーチをプレスの前で通訳する際、打ち合わせになかった「長文アドリブ」に対処できず、頭が真っ白になる大惨事もあったけれど(師匠「まあ修行の一環だと思って恥をかいてきなさい」は見事に的中)、みなさんのあたたかいフォローのおかげでなんとかなりました。あぁぁ、修行しなきゃ……

せめてもの幸いは、逐次以外の通訳がどうにかなったことです。
翻訳の段階ですでにバウハウス専門用語でつまずいたから、ほんと気が気でなかった。

ぐだぐだだったけれど、ちょっとでもお役に立てたら、うれしいな。


翻訳をしたときには小さな画像でしか見られなかった作品を、生で見たときの感動と興奮は、今でも忘れられない。6日間、せっせと会場に通っているうちに、作品に対する愛着もわいてきた。テーブルとかイスとか、いとおしい。
本業は凍結状態だし、寝不足がたたって体力的にきついときもあったけれど、これでおしまいなんだなあと思うと、すごくさみしい。特にBさんとSさんに会えないのがさみしい

また次に会う日を、楽しみに


次にドイツに行くときは、デッサウに行って、今回見た作品を「本場」で見てみたいな。
……あ、でも、来年の頭までは日本で展示されるし、それが終わったらベルリンニューヨークだから、タイミングを間違えると「バウハウス:もぬけの空」という事態になりかねない……!


今回の「雲隠れ」ではたくさんのひとに迷惑をかけたので、来週からちゃんと「現場復帰」して責任を果たさないと
内覧会に来た後輩がイメチェンしていて、ちょっと「浦島太郎気分」になったので(笑)、自分のいない間にイベントがざくざく発生していたりして……と、どきどき。


写真は、
・バウハウス・デッサウ展のカタログ(ちっちゃく名前が載ってます!)
・宣伝シール
・スタッフバッジ(仕事が終わった今でも「舞台裏」に潜入できるのかな……)
・Bさんにもらったバウハウスの本(たからもの)

更にポスター(ネオンオレンジ)があります。
どれだけ部屋をバウハウス色に染める気なんだ。

かれんだー

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ドイツ生まれ、ドイツ育ちの「なんとなく日本人」。根っからのラインラントっこ。

日本の大学院で現代ドイツ文学を勉強中。ただいま、ドイツにて「しゅっちょう」修行の旅の途中。今やすっかりメクレンブルクの空と大地と海に心を奪われています。
夢は、日本とドイツをつなぐ「ことばや」さんになること。

深刻になりすぎず、でも真剣に。
こつこつ、しっかり、マイペース。がんばりすぎない程度にがんばります。

2010年4月-9月までロストック(メクレンブルク・フォアポンメルン州)、10月-2011年3月までベルリンに滞在。再度ドイツに留学することが、今後の目標のひとつ。

ぽつぽつと、不定期的に過去の日記を埋めていきます。


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