ゆうゆう自適。
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お友達(ベルリンで知り合ったご近所さん!)に誘われて、映画の試写会に行ってきました。「八日目の蝉」。
映画のCMを見て「読んでみようかなあ」と思い、つい先日、文庫本を手に取ったばかり。
急遽決まった映画鑑賞に対応できず、ひとまず前半部(第一章)だけ読み切って試写会に臨む。
以下、ネタバレ。
2009年に急逝したバレエダンサー、ピナ・バウシュのドキュメンタリ映画「PINA」を観てきました。監督はヴィム・ヴェンダース。
本作品のお披露目は、先日のベルリン国際映画祭にて。チケットが飛ぶように売れて、前売りが買えなかったのは記憶に新しい。一般公開がすでに決まっていたため、ベルリナーレではあえて当日券を買わず、この日を待ちました。
今更ながら、3D映画でびゅー。
はじめて3Dメガネをかけて映画を観た。
お恥ずかしながら、ピナ・バウシュについては名前を聞いたことがある程度の知識しか持っていませんでした。コンテンポラリー・ダンスで活躍していた、といっても、コンテンポラリー・ダンスがどんなものなのかも実はよくわかっていない。今回、このドキュメンタリ映画を通して、なんとなくその一端を垣間見たような気がする。……うーん、もっと勉強しないとな。日本でも映像を見られる機会があればいいんだけれど。
表現することばを持たない辺りが「残念なYuNクオリティ」というところなのですが(ピナ・バウシュ、あるいはコンテンポラリー・ダンスに詳しいひとのはなしをぜひ聞きたい!)、コンテンポラリー・ダンスをよく知らないものとしては映像のひとつひとつが新鮮に感じられて、引きこまれた。断片ではなく、ぜひ通して観てみたい。
ヴッパータール舞踊団の芸術監督だったことから、ヴッパータールを舞台とした映像もちらほら。ああ空中鉄道(モノレール)!地元っ子(正確にいえば地元じゃないけれど)としては、テンションがあがります。
3Dによってライヴ・パフォーマンスを表現しよう!ということらしいですが、メガネ×3Dメガネで観るほうとしては結構ツライ。身もふたもないはなしだけれど、鼻筋が痛くなった。あと、ついつい3Dメガネをかける→外すでスクリーンの違いを見比べてしまった。ははは。
これ、DVD化したらどうなるんだろう?
今、巷で話題の(らしい)3Dテレビ買わないと観られないのかしら。
(ここからネタバレ)
(ここまでネタバレ)
火曜日、2時間超並んで入手したチケット。お目当ての「Toast」が完売していたために、急遽(ちょうど前日にあらすじに目を通していた)「Submarine」に変更。
過剰な期待はせず、行ってみたところ……
これが、すごくおもしろかった。
ティーンネージャー・オリヴァーの世界は、愛と夢と妄想でいっぱい。
母を隣人(初恋相手でスピリチュアル・フリーク)の魔の手から救わなくてはならない、
ずっと水面下にいるような心持ちの父を癒さなくてはならない、
気になるクラスメイト・ジョルダーナを誘惑しなくてはならない……
これだけだと、単なる「思春期男子の勘違いと暴走」なのかと思いがちだけれど、個性的な登場人物たちがストーリーを痛快に彩る。
とりわけ、主人公のオリヴァー。好きな女の子に気に入られようと、母の浮気(および両親の離婚)を阻止しようとあの手この手でがんばるけれど、ぜんぶどこかズレている。それでもめげない。何度、画面に向かって「この愛すべきおばか!」と言いたくなったことだろう。(どこか『クレヨンしんちゃん』をほうふつとさせるような……)
(ここからネタバレ)
「プロローグ」「Part 1, 2, 3」「エピローグ」と映画を章立て仕様に分割する手法、音楽の使いかた、夢か現か、あやふやな境界線……本当に目が離せない100分弱。上映中、映画館はずうっと笑いに包まれていた。
ここまで過激ではないけれど、こういう愛と夢と妄想にあふれた次期って、誰にでもあるんじゃないだろうか。「ええっ」と驚く一方で、「ああ、なんかわかるなあこういうの……」としみじみ思ったりもした。
自分が死んだら、みんな哀しむんじゃないだろうか、とか
この子とつきあったら、どんなふうに毎日を過ごすんだろう、とか
突然両親が離婚したらどうしよう、とか、
一度は考えたこと、ありませんか?
「なにも変わってほしくない、このままがいい」と願ったことは、ありませんか?
プロローグからエピローグまで通して観ると、オリヴァーがさまざまな出来事を通して、少しずつ大人になっているのもわかる。そうか、これは子どもから大人への成長を描いたはなしでもあるのね!と納得。相変わらずずれているんだけれど、後味すっきり、余韻を残す感じのラストがなかなかすてきでした。
(ここまでネタバレ)
これ、DVD化されたらほしい!
今のところ、ベルリナーレでイチオシの映画です。
明日も明後日も、1本ずつ観る予定。フランスものと、イタリアもの。当日券を手に入れるために、明日もまたまた早朝から並ぶ!
日本に戻ったら映画を観る機会が減ると思うので(日本の映画館って高すぎて、わざわざ足を運ぼうっていう気がなくなる……)、今のうちに「観だめ」をしておこうと思います。ドイツ/日本で観るチャンスが少なさそうな映画狙い。
かれんだー
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りんく
かてごり
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ぷろふぃーる
日本の大学院で現代ドイツ文学を勉強中。ただいま、ドイツにて「しゅっちょう」修行の旅の途中。今やすっかりメクレンブルクの空と大地と海に心を奪われています。
夢は、日本とドイツをつなぐ「ことばや」さんになること。
深刻になりすぎず、でも真剣に。
こつこつ、しっかり、マイペース。がんばりすぎない程度にがんばります。
2010年4月-9月までロストック(メクレンブルク・フォアポンメルン州)、10月-2011年3月までベルリンに滞在。再度ドイツに留学することが、今後の目標のひとつ。
ぽつぽつと、不定期的に過去の日記を埋めていきます。