ゆうゆう自適。
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
9時半開始だったので、9時少し前から当日券を求めて列に並んだ。
劇場の入り口付近で、チケット売り場は別のところにあることが判明。幸い、すぐ隣の建物だったので、急いで移動してそちらの列に並びなおし。30分しか時間がなかったから、入れるかどうかひやひやした!
しかし、早起きは三文の徳。無事にチケットを入手、出遅れたにも関わらずよい席にもつけました。
チェティンとエンダーは幼なじみ。切っても切れない仲のふたりは、アンカラでルームシェアをしながら暮らしている。ある日、ベルリンで暮らしている友人からふたりに連絡が入る。両親が交通事故で亡くなり、残された妹・ニハルの面倒を見てほしいという。ニハルを引きとり、彼女に父親のような気持ちで接するチェティンとエンダー。やがてふたりは、それぞれニハルに恋をする……。
(ここからネタバレ)
(ここまでネタバレ)
「おじさん」ふたりが、本当にかわいいのです。
ベルリナーレの目玉作品のひとつだったのか、前売りの段階で全日程のチケットが完売。
当日券ですら入手しづらいのでは、と思っていたものの、ダメモトで行ってみる価値はある!ということで、「Eighty Letters」鑑賞後、該当の映画館へ。隣の駅だし、チケットが取れなくても痛手ではない。
なんと、1枚だけ残っていました!
夜22時からの上演だったので、一回帰ってまた出てくる必要はあるけれど、それでも観たい!ということで、即購入。残数が2、3枚だったら、友達も誘えたんだけどなあ。
そんなわけで、ひとりで行ってきました。
会場はAlexanderplatzからひと駅東へ行ったSchillingstr.にある映画館、International。カール・マルクス通りに来るたびに「ああ東ドイツだな」と思うのだけれど、この映画館はなんとバウハウス・スタイルの建築。内装もとてもきれいで豪華だった。
60年代のイギリス。
少年ナイジェルは料理、それも調理のほうに大変関心を持っていた。母親が料理上手ではなかったことにも一因があったのかもしれない。本を片手に、新しい料理に挑戦しようとする息子を、父親は理解できずにいた……。
(ここからネタバレ)
喘息を患っていた母の死と、お手伝いさんのミセス・ポッターの登場で、ナイジェルの生活は大きく変わる。ナイジェルの心境をよそに、料理上手で女性の色香ただようミセス・ポッターにみるみる魅了されていく父。やがて父は、ナイジェルとミセス・ポッターと3人、イギリスの片田舎で新しい生活をスタートしようと考え、実行に移す。
父の関心を引くため、ナイジェルは学校の調理実習で料理の腕を磨く。ナイジェルの料理の腕に危機感を覚えたミセス・ポッターは、彼をキッチンに近づけまいと最新の注意を払った。
地元のパブの厨房でアルバイトをしながら、ナイジェルは料理の可能性と性の目覚めを知る。
やがて父が(間接的にミセス・ポッターの手による過食が原因で)亡くなると、ナイジェルは家を飛び出し、ロンドンに赴く……。
(ここまでネタバレ)
イギリスの料理研究家でフードジャーナリストのナイジェル・スレイターの半生(料理研究科になるまでの道のり)を映画化した作品。
映像がとにかく、きらきらしていた。
ナイジェルが料理の魅力に取りつかれていく過程が、非常によくわかる。
涙あり、笑いあり。
シリアスな展開の中にもくすっと笑えるエピソードが盛り込まれているのは、イギリス流なのでしょうか。
タイトルの「Toast」。
料理が苦手な母が調理に失敗するたびに、「そうね、今日はトーストにしましょう」というのだけれど、この「こんがり焼けたトーストにバター」という組み合わせが、ひとつの「幸せ」を体現している。幼年期の幸せ、そして現在へと続く旅路の出発点。
観ていて清々しい気持ちになる映画でした。
ルキーノ・ヴィスコンティ監督作。
トーマス・マンの同名小説『ヴェニスに死す』Der Tod in Venedig(1912)が原作。
旧職場の同僚さんから「マーラーとタッジオ少年がうつくしすぎる」と聞いて以来、絶対に観ねばと思っていたのがようやく実現!
静養のためにヴェネツィア(ヴェニス)を訪れた老作曲家・アッシェンバッハは、そこで出会ったポーランド人の少年・タッジオに理想の美を見出す。すっかりタッジオのとりこになってしまったアッシェンバッハ。少年がどこへ向かおうと、ひっそりと後をつけ、熱い視線を送る。
やがてヴェニスに疫病が蔓延しはじめるも、タッジオから目を離せないアッシェンバッハは街に留まる。タッジオを救いたい一心で、家族に早くヴェニスをあとにするよう伝えるアッシェンバッハ。彼自身はすでに病魔に侵されていた。そしてタッジオ一家が出立するその日、浜辺でうつくしいタッジオの身体をながめながら、アッシェンバッハはついに息絶える。
じっとタッジオを見つめるアッシェンバッハを「かわいい」と表現したら、「えー」と非難の声が飛んできた。
いや、現代風にいえばたしかに「ストーカー」なんだろうけれど、
じっとタッジオを見つめるまなざし、
終盤、そっとタッジオの髪をなでる震える手、
一途じゃないですか。
好きな子を思わず目で追ってしまう……
そんな甘酸っぱい思い出とともに。
とはいえ、はじめからいきなり「好きだタッジオ!」となるわけではなく、
友人と「美とはなにか」について激しく議論したり、美と清純と愛について葛藤したり、
アッシェンバッハがタッジオへの愛を認めるまでの過程もていねいに描かれている。
あと映像がうつくしい。
マーラーの交響曲第3番と第5番もうつくしい。
ストーリー、映像、音楽、すべてが「美への陶酔」を表現している、という印象を受けました。
この辺は専門家のSくんに詳しいはなしを聞いてみたい。
Last but not least、タッジオ少年のうつくしさは尋常じゃない!
よくもまああんな美少年を見つけてきたものだと思います。ギリシア彫刻みたい。
アッシエンバッハの視線に気づいていながら、まんざらでもない様子……小悪魔!
日本に戻ったら一刻も早く原作を読もうと思った。
『ブッデンブローク家の人々』も『ヴェニスに死す』も、映画は見たけど原作読んでいないんだよね、ごにょごにょ。『ブッデンブローク家の人々』は冒頭数ページで断念したまま放置してある。
その前に『ベルリン・アレクサンダー広場』!
……と思うんだけれど、まずはトーマス・ベルンハルトの『イマヌエル・カント』読むんだ……。予習!
かれんだー
03 | 2024/04 | 05 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 |
14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 |
28 | 29 | 30 |
りんく
かてごり
最新とらっくばっく
ぷろふぃーる
日本の大学院で現代ドイツ文学を勉強中。ただいま、ドイツにて「しゅっちょう」修行の旅の途中。今やすっかりメクレンブルクの空と大地と海に心を奪われています。
夢は、日本とドイツをつなぐ「ことばや」さんになること。
深刻になりすぎず、でも真剣に。
こつこつ、しっかり、マイペース。がんばりすぎない程度にがんばります。
2010年4月-9月までロストック(メクレンブルク・フォアポンメルン州)、10月-2011年3月までベルリンに滞在。再度ドイツに留学することが、今後の目標のひとつ。
ぽつぽつと、不定期的に過去の日記を埋めていきます。