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ゆうゆう自適。

つらつら、まったり。つれづれ(不定期)雑記帳。海風薫るロストックから伯林、そして再び東京へ。再びドイツへ「帰る」日を夢見て、今日も今日とてしゅぎょう中。
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トルコ系ドイツ人の監督、Fatih Akinの作品。
邦題「愛より強く」。

Fatih Akinの映画、いいよ!と、先輩・後輩に勧められ続けて数年、ようやく観ることができました。
どの作品もすごい人気で、なかなかレンタルできない。このGegen die Wandを借りられたことのほうがめずらしい。


壁に向かって車を走らせ、自殺を図ったトルコ系ドイツ人の男性・ジャイドは、収容された先の病院で同じくトルコ系ドイツ人の女性・シベルと出会う。トルコの伝統を重んじる家族から逃れるため、ジャイドに偽装結婚を持ちかけるシベル。自ら命を断ちかねない彼女を救うため、しぶしぶ承諾するジャイド……。

ふたりの距離が少しずつ縮まっていくとともに、破滅の歯車が回りはじめる――。


ドイツ/トルコの二極――
トルコ系ドイツ人たちの生き方、生活、

「ドイツ人として生きるということ」
「トルコのルーツを忘れないということ」

ドイツで生きるということ、
トルコで生きるということ、

板挟みになりながらも前に進もうとする、登場人物たち。


あらゆる意味で、衝撃的な映画でした。

音楽の使いかた、カメラワーク、映像のカット。
ストーリーも含めて、ものすごく引きつける作品だと思った。画面から、目が離せない。

ドイツ語とトルコ語、両方のことばでストーリーが展開するのもおもしろい。
トルコ語もまた、わたしにとっては未知の言語。「日本語と構造が似ている」と聞いたことがあるけれど、ぼんやり聞いているだけではさっぱりわからない。


トルコ系ドイツ人たちの生きる、ドイツとトルコ、その狭間――

未だ見たことのない場所を、垣間見たような気がした。
もちろん、これはフィクションです。それでも、今まで知らなかった世界が少し、拓けたような気がした。

トルコ系ドイツ人のこと、
トルコの伝統のこと、

長らくドイツで、彼らと一緒に暮らしていたのに、なにも知らない。

うー、一学期間、「トルコの歴史」は勉強したはずなのにな。
身近なはずなのに、今の自分からはどこまでも距離が遠い。

もっと、知りたい。


他の作品も観たくなってきた。
もっと早くに観ればよかったなあ。

Gegen die Wandは、3部作の第1作目。
2作目は、Auf der anderen Seite。やはりドイツ/トルコの狭間を生きる人々を描いた作品のようです。

機会があったら、これも借りて観よう!
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timmyちゃんと映画「Rapunzel – Neu verföhnt」(邦題「塔の上のラプンツェル」、原題「Tangled」)を観に行ってきました!

グリムのラプンツェルを下敷きにした3D-CGアニメーション(今回観たのは3D版ではなく通常版)。
日本での公開は3月なので、ネタバレ防止に一応「あぶり出し」の仕様に……。


(ここから)

* * * * *
むかしむかし、あるところに、王さまとお妃さまが暮らしていました。
お妃さまは子どもを身ごもりますが、重い病にかかり、生死の境をさまよいます。

近衛兵たちは、どんな傷や病も癒す伝説の花を探し出します。
その花を煎じて飲んだお妃さまはたちまち元気になり、可愛い女の子を生みました。

女の子の名前は、ラプンツェル。

ある夜、ラプンツェルは魔女にさらわれてしまいます。
この魔女は、伝説の花をひとり占めにし、己の若さを保ってきたのでした。
伝説の花同様、ラプンツェルの髪に不思議な力が宿っていることを知った魔女は、ラプンツェルを塔の上に閉じ込めて育てます。誰も、自分からラプンツェルを取り上げることがないように。
* * * * *

塔の上に閉じ込められたラプンツェルは、いつの日か外の世界に出ることを夢見ている。

18 歳の誕生日の前日、ラプンツェルを迎えに来るのは王子ではなく、泥棒のフリン・ライダー。
彼の手を取り、ラプンツェルは外へと飛び出す。毎年毎年、自分の誕生日に立ち上る、たくさんの光の正体をつかむために。


ディズニー映画を観るのはずいぶんひさしぶりですが(最後に観たのはピクサー制作の「Mr. インクレディブル」)、予想以上によかったです。
ラプンツェルが可愛い!そしてフリンが「いかにも王子さま」な感じではないのがまたいい!歌もオールドイツ語訳でしたが、まったく不自然ではなく、とても上手。そしてCGがまたとんでもなくなめらか。

童話を下敷きにしてリメイク、というのは「リトル・マーメイド」を彷彿とさせるけれど、「塔の上のラプンツェル」は(展開こそ違えど)本筋はグリム童話とさほど変わらないので(まあ「ラプンツェルという名の野菜はどこへ行った!」と言われたらそこまでだと思うけれど)、素直に楽しめると思います。


相変わらず、ディスニーはわき役の動物がかわいいね。
カメレオンのパスカル、軍馬のマクシムス、みんないい味を出しております。


(ここまで)


大人から子どもまで、広く楽しく観られる映画かな。

3Dで観たら、どんな感じになるんでしょう。
絶対3D酔いするだろうなあと思って、未だに挑戦できずにいる……。

市立図書館で映画「ロミオとジュリエット」(1968)を借りてきたのでひっそり鑑賞。

この映画、大学2年のときに授業(演劇論)で部分的に観たけれど、全体を通して観るのは今回がはじめて。(ディカプリオ版は一応全部観たけど、冒頭のアロハ+銃のインパクトが強すぎてそれ以外の個所をあんまり覚えていない)

『ロミオとジュリエット』は悲劇だけれど、実はシェイクスピアの4大悲劇には入っていない。なぜかというと、喜劇的な(祝祭的な)要素も多々含まれているからだそう。
……ぼんやり映像観ているだけだと「なぜそうなる!」といろいろツッコミたくなるんだけれど、映画が原作にかなり忠実(台詞までもがShakespeare's English)であることを考えると、そもそも原作がツッコミどころ満載ということになる。

ツッコミどころ満載というか、

「運命のいたずら」

というのか……。

マキューシオはロミオがケンカの仲裁に入ろうとしたがために死亡、
ジュリエットが仮死状態にあることを伝える手紙は数分ほどの差でニアミス、
ロミオが毒を飲んだ直後にジュリエットが目覚める……

登場人物の性格が、直接悲劇を引きよせているわけではない。
まさに「star-cross'd lovers」(悲運の星のもとの恋人たち)そのもの。


はじめてこの映画を観たとき、

別の女性に恋心を抱いていたはずのロミオが、ジュリエットを一目見るなり「心変わり」をし、昔の女は忘れた!と言わんばかりに猛アタックをするさまに「おい!」とひとりツッコミを入れていましたが、

ロレンス神父がそんなわたしのツッコミを作中で代弁してくださいました。
設定とかそういうものを一瞬忘れて、思わず「そうだよね!」と同意。

いやはや。


ずっと、舞台を観ているような気分でした。
若かりしオリヴィア・ハッセーが可愛かった。
しかし、「ジュリエットは(まだ)13歳」と思いながら観ると、なんだかどきどきする……。

これは名作だよねえ。

友達と3人でランチをして、たまたま映画の話になり、たまたま「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」のはなしになり。
そのまま突発的に観にいきました、「ベンジャミン・バトン」。こういう「当初予定になかったイベント」はだいすきです。


原作は未読なので、感じたことをつらつらと。

予告編を通してブラッド・ピットとケイト・ブランシェットをセットで捉えていたこともあって、「ラブがメインの話?」と思っていたけれど、そうでもなかった。タイトルが示しているように、ベンジャミン・バトンの生涯を綴った作品。

上映時間は3時間弱。時間だけ見れば「長い」(観ている間はさほど気にならなかったとはいえ、観終わるころにはさすがに疲れた)、そして人間の約80年分の一生を語るには「短い」。
デイジー(ケイト・ブランシェット)の娘キャロラインが病床の母にベンジャミン・バトンの日記を朗読する、という枠構造のスタイルを取っているものの、その枠部分が少し弱いなという印象を受けました。細かいエピソード(キャロラインの父親の話、誕生日カードの話)も、枠内のストーリーを補完・説明するための機能といった感じが否めない。

一方でベンジャミン・バトンの残した日記、もう一方でデイジーの回想(語り)を交互に織り交ぜていること考えると、こういう手法にならざるを得ないのかなとも思います。でも、枠部分に関しては、もう少し深みがほしかった……!

ベンジャミン・バトンの生涯に関しては、ラブ一色ではなく、ちゃんとはじめから終わりまで丁寧に描かれているのがよかった。
そして特殊メイク!すごい!若返っていくブラピも見どころなんだけれど、それ以上に、年を重ねていくケイトのに魅せられました。輝く笑顔の少女から、30代、40代の大人の女性へ。そして、おばあさんへ。メイクももちろんすごいのだけれど、その立ち居振る舞いや雰囲気ががらりと変わるのに圧倒されました……。


「家族」の絆の強さ、人を愛するということ、自分の人生を生き抜くということ。
劇的なストーリー展開があるわけではない。「面白い!」とも「感動した!」とも「切ない!」とも違う。
ただ、映画のキャッチコピーのように「人生ってすばらしい」と、しみじと思わせるような映画だと思いました。静かでうつくしい。

年老いたデイジーの腕で眠るように息を引き取る赤ん坊のベンジャミン、このシーンの静謐さと光の加減がとてもとても印象に残っています。


よい映画だったと思います。


他に気になる映画といえば「おくりびと」。
昨年9月ごろから気になっていたけれど、すっかり観る機会を逃してしまっていた。

アカデミー賞を取ったことで大変話題になっている今、今更観に行くのはなんだかミーハーな感じがしてしまって、観に行くに行けない。ぬう。

昨年末に研究室の先輩に貸してもらって(ありがとうです!)、ようやく観ることができました。

最初、音楽系の映画だとばかり思っていました。
そして原題"Das Leben der Anderen"(他人の生活)であると、シュタージ(東ドイツの秘密警察)ものであると知って、びっくりした覚えがあります。
うーん、「善き人のためのソナタ」ってすごくドラマティックな響きだけれど、「他人の生活」じゃあちょっと味気ないよなあ……。よい訳だと思います。

訳、ということで、まず字幕について。
日本語字幕ONで観ていると、どうも「日本語」と「ドイツ語」の認識が上手にできない。どっちのチャンネルに合わせればいいのか、わからない……の、かなあ。
(しかもこの字幕、数か所誤訳があって、自分の目あるいは耳を疑いつつ観直すと、ものすごーく体力を消耗する)

かれんだー

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ドイツ生まれ、ドイツ育ちの「なんとなく日本人」。根っからのラインラントっこ。

日本の大学院で現代ドイツ文学を勉強中。ただいま、ドイツにて「しゅっちょう」修行の旅の途中。今やすっかりメクレンブルクの空と大地と海に心を奪われています。
夢は、日本とドイツをつなぐ「ことばや」さんになること。

深刻になりすぎず、でも真剣に。
こつこつ、しっかり、マイペース。がんばりすぎない程度にがんばります。

2010年4月-9月までロストック(メクレンブルク・フォアポンメルン州)、10月-2011年3月までベルリンに滞在。再度ドイツに留学することが、今後の目標のひとつ。

ぽつぽつと、不定期的に過去の日記を埋めていきます。


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