ゆうゆう自適。
つらつら、まったり。つれづれ(不定期)雑記帳。海風薫るロストックから伯林、そして再び東京へ。再びドイツへ「帰る」日を夢見て、今日も今日とてしゅぎょう中。
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昨年末に研究室の先輩に貸してもらって(ありがとうです!)、ようやく観ることができました。
最初、音楽系の映画だとばかり思っていました。
そして原題"Das Leben der Anderen"(他人の生活)であると、シュタージ(東ドイツの秘密警察)ものであると知って、びっくりした覚えがあります。
うーん、「善き人のためのソナタ」ってすごくドラマティックな響きだけれど、「他人の生活」じゃあちょっと味気ないよなあ……。よい訳だと思います。
訳、ということで、まず字幕について。
日本語字幕ONで観ていると、どうも「日本語」と「ドイツ語」の認識が上手にできない。どっちのチャンネルに合わせればいいのか、わからない……の、かなあ。
(しかもこの字幕、数か所誤訳があって、自分の目あるいは耳を疑いつつ観直すと、ものすごーく体力を消耗する)
クリスタ・ヴォルフ『残るものはなにか』が、脳裏をよぎった。
そうか、シュタージに目をつけられるというのは、こういうことかと。
自分が西側で、のほほんと暮らしていた時期に、同じ国の東側では非人道的なことが行われていた。
壁が崩壊した、ドイツが統一した、といっても、子ども(当時小学校2年生)には、なんのことだかわからない。
「自分の国のことなのに」、状況をきちんと把握したのは高校に上がってから。
歴史の授業の優先順位は「ナチス・ドイツ」→「世界史」→「東ドイツ」でした。(テーマ選択式だったから、東ドイツを扱っていないクラスもあったと思う)
「自分の国のことなのに」、「教えてくれなかったから知らなかった」。
だめすぎる。
「今」と結びついているからか、東ドイツと関連している文学・映画にはものすごく引きつけられます。この映画もまた、しかり。
ものすごく感情移入できる!とか、超感動した!とか盛り上がる作品ではなく、静かに、淡々と観られるよい作品だと思う。その余韻に浸れるような。
これで『残るものはなにか』を読んだら、またなにか、新しい発見があるかな?
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かれんだー
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ドイツ生まれ、ドイツ育ちの「なんとなく日本人」。根っからのラインラントっこ。
日本の大学院で現代ドイツ文学を勉強中。ただいま、ドイツにて「しゅっちょう」修行の旅の途中。今やすっかりメクレンブルクの空と大地と海に心を奪われています。
夢は、日本とドイツをつなぐ「ことばや」さんになること。
深刻になりすぎず、でも真剣に。
こつこつ、しっかり、マイペース。がんばりすぎない程度にがんばります。
2010年4月-9月までロストック(メクレンブルク・フォアポンメルン州)、10月-2011年3月までベルリンに滞在。再度ドイツに留学することが、今後の目標のひとつ。
ぽつぽつと、不定期的に過去の日記を埋めていきます。
日本の大学院で現代ドイツ文学を勉強中。ただいま、ドイツにて「しゅっちょう」修行の旅の途中。今やすっかりメクレンブルクの空と大地と海に心を奪われています。
夢は、日本とドイツをつなぐ「ことばや」さんになること。
深刻になりすぎず、でも真剣に。
こつこつ、しっかり、マイペース。がんばりすぎない程度にがんばります。
2010年4月-9月までロストック(メクレンブルク・フォアポンメルン州)、10月-2011年3月までベルリンに滞在。再度ドイツに留学することが、今後の目標のひとつ。
ぽつぽつと、不定期的に過去の日記を埋めていきます。
えぇぇ。
楽譜のタイトルを取ったのは上手かったよね。
幾度も極度に接近しながら決して交差しない二人の人生。
そしてエンディングでの,まなざしの関係の逆転がすばらしい。
語るテーマたくさんな作品。
拍手!
ただ,これを「本当のこと」と受け止めるのは
どうかと思う。それは文学との関わりでもそうだし,
ナイーブな一観衆としての姿勢としても,非常に危険だ。
同意。
そうですね、文学でも映画でも、そこで描かれた世界を「本当のこと」として鵜呑みにするのはすごく危険なことだと思います。距離を取る必要はありますね。
作品を通じて見えてくるもの。
これらの作品を通して、自分なりにきちんと考えられる姿勢でいたいです。常に。