ゆうゆう自適。
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ルキーノ・ヴィスコンティ監督作。
トーマス・マンの同名小説『ヴェニスに死す』Der Tod in Venedig(1912)が原作。
旧職場の同僚さんから「マーラーとタッジオ少年がうつくしすぎる」と聞いて以来、絶対に観ねばと思っていたのがようやく実現!
静養のためにヴェネツィア(ヴェニス)を訪れた老作曲家・アッシェンバッハは、そこで出会ったポーランド人の少年・タッジオに理想の美を見出す。すっかりタッジオのとりこになってしまったアッシェンバッハ。少年がどこへ向かおうと、ひっそりと後をつけ、熱い視線を送る。
やがてヴェニスに疫病が蔓延しはじめるも、タッジオから目を離せないアッシェンバッハは街に留まる。タッジオを救いたい一心で、家族に早くヴェニスをあとにするよう伝えるアッシェンバッハ。彼自身はすでに病魔に侵されていた。そしてタッジオ一家が出立するその日、浜辺でうつくしいタッジオの身体をながめながら、アッシェンバッハはついに息絶える。
じっとタッジオを見つめるアッシェンバッハを「かわいい」と表現したら、「えー」と非難の声が飛んできた。
いや、現代風にいえばたしかに「ストーカー」なんだろうけれど、
じっとタッジオを見つめるまなざし、
終盤、そっとタッジオの髪をなでる震える手、
一途じゃないですか。
好きな子を思わず目で追ってしまう……
そんな甘酸っぱい思い出とともに。
とはいえ、はじめからいきなり「好きだタッジオ!」となるわけではなく、
友人と「美とはなにか」について激しく議論したり、美と清純と愛について葛藤したり、
アッシェンバッハがタッジオへの愛を認めるまでの過程もていねいに描かれている。
あと映像がうつくしい。
マーラーの交響曲第3番と第5番もうつくしい。
ストーリー、映像、音楽、すべてが「美への陶酔」を表現している、という印象を受けました。
この辺は専門家のSくんに詳しいはなしを聞いてみたい。
Last but not least、タッジオ少年のうつくしさは尋常じゃない!
よくもまああんな美少年を見つけてきたものだと思います。ギリシア彫刻みたい。
アッシエンバッハの視線に気づいていながら、まんざらでもない様子……小悪魔!
日本に戻ったら一刻も早く原作を読もうと思った。
『ブッデンブローク家の人々』も『ヴェニスに死す』も、映画は見たけど原作読んでいないんだよね、ごにょごにょ。『ブッデンブローク家の人々』は冒頭数ページで断念したまま放置してある。
その前に『ベルリン・アレクサンダー広場』!
……と思うんだけれど、まずはトーマス・ベルンハルトの『イマヌエル・カント』読むんだ……。予習!
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かれんだー
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ぷろふぃーる
日本の大学院で現代ドイツ文学を勉強中。ただいま、ドイツにて「しゅっちょう」修行の旅の途中。今やすっかりメクレンブルクの空と大地と海に心を奪われています。
夢は、日本とドイツをつなぐ「ことばや」さんになること。
深刻になりすぎず、でも真剣に。
こつこつ、しっかり、マイペース。がんばりすぎない程度にがんばります。
2010年4月-9月までロストック(メクレンブルク・フォアポンメルン州)、10月-2011年3月までベルリンに滞在。再度ドイツに留学することが、今後の目標のひとつ。
ぽつぽつと、不定期的に過去の日記を埋めていきます。