ゆうゆう自適。
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ドイツ映画祭2009に行ってきました
お目当ての映画は『ブッデンブローク家の人々』(2008)。
なんと午前中にもかかわらず、当日券が完売という盛況ぶり。ぎりぎりで前売り券を買えてよかった……。(正直、「ドイツ映画だからそんなに人は来ないだろう」とタカをくくっていました。万席でした、ごめんなさい。ドイツ映画にとってはよいことですね)
ぐぐぐっと映像に引き込まれまた2時間半でした。
北ドイツ・リューベックの風景。きらびやかな舞踏会。
栄華を極めた一族の、没落へと至る道のりが、重厚な映像と音楽で描かれていました。
ヒロイン・トーニが、とっても魅力的でした。少女時代からはじまって、少しずつ年を重ねていく彼女。その表情が変化してゆく様が、とても印象に残りました。
ストーリーは、ちょっと駆け足気味。
トーマス・マン・スペシャリストである監督が手掛けた映画ということで、原作を一通り読んでいることが暗黙の前提となっているんだなーという印象を受けました。細かい説明は結構省かれている。そのため、ところどころ展開を追うのが難しかったり、冒頭で張られた伏線がさらっと(いつの間にか)回収されたり、そこだけが少し残念。ブッデンブローク三きょうだいの幼少期のはなしとか、トーニの初恋の思い出とか、もうちょっと見たかったなあ……。
(もしかしたら原作にそもそも含まれていない、という可能性ももちろんある)
Jahrestageもそうですが、長編大作を映像化するとなると、どうしても内容をコンパクトにしなければならないので、仕方がないのですが。全体的には、ひとつの映画作品としてきれいにまとまっていたと思います。
というか、ちゃんと原作読もうね、という話ですよね、はい。
読みます。ヘルタ・ミュラーを一冊読んだら、次はBuddenbrooks読む!
しかしトーマス・マンはあんな話(といっても、自伝的な要素も含まれているらしいけれど)を20代のころに書き上げたのか……さすがノーベル賞作家。
知らず知らずのうちにエネルギーを消費していたのか、帰宅後、ばったり眠ってしまった
それだけに、重厚。からだ全体にずっしり来る。
しかし観に行ってよかった!
字幕のはなし。
冒頭で「クリスティアン」を「クリスティ」と表記している箇所があって、「なぜにクリスティなんだろう……」ともくもくと考えていました。
子ども時代のはなしだったので、幼少期のあだなかしらと思いましたが(混乱させないように、あらかじめ統一させているのかと解釈)、自分が聞いた限りでは、作中で次兄クリスティアンが誰かしらに「クリスティ」と呼ばれることは一度もありません。
トーマスはどれだけ「トム」と呼ばれようと「トーマス」のままだったので、単なる誤植でしょうか。
トーニの愛称で呼ばれるアントーニエは、ずっと「トーニ」。うん。
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かれんだー
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ぷろふぃーる
日本の大学院で現代ドイツ文学を勉強中。ただいま、ドイツにて「しゅっちょう」修行の旅の途中。今やすっかりメクレンブルクの空と大地と海に心を奪われています。
夢は、日本とドイツをつなぐ「ことばや」さんになること。
深刻になりすぎず、でも真剣に。
こつこつ、しっかり、マイペース。がんばりすぎない程度にがんばります。
2010年4月-9月までロストック(メクレンブルク・フォアポンメルン州)、10月-2011年3月までベルリンに滞在。再度ドイツに留学することが、今後の目標のひとつ。
ぽつぽつと、不定期的に過去の日記を埋めていきます。