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ゆうゆう自適。

つらつら、まったり。つれづれ(不定期)雑記帳。海風薫るロストックから伯林、そして再び東京へ。再びドイツへ「帰る」日を夢見て、今日も今日とてしゅぎょう中。
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BLOG6530.JPG天気がそこそこよさそうだったので、直前まで迷っていた「遠足」を決行。
バルト海域最大のハンザ都市・リューベック(Lübeck)に行ってきました!(リューベックは川崎市と姉妹都市関係を結んでいるんですね、知らなかった……)

ロストックから電車で2時間弱(西へ100キロ)のところにあるリューベックは、シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州の街。メクレンブルク・フォアポンメルン州との境目近くにありますが、旧西ドイツ領です。なので、今日は二重に「越境」。

ロストックからBützow、Bad Kleinen。ここでまっすぐハンブルクに向かえば、ヨーンゾンの作品に出てくる登場人物と同じ行程をたどるんだけれど、リューベックに行くにはBad Kleinenで乗り換え。ハンブルクはまた今度かな。(こちらも直通で2時間半くらいで行ける)


リューベック中央駅に入る直前、リューベックのシンボルであるホルステン門が見えた。この感覚、ケルンに入るときに大聖堂が見えた瞬間に似ている。来たぞ、って。それだけでわくわくする。


リューベックはとっても天気がよくて、コートなんていらないほどのあたたかさ!
ロストックと同じ北ドイツ/バルト海沿いの街のはずなのに、こんなに違うものなのかな?それとも、今日は(自分が留守にしているときに限って)ロストックもあったかいのか……。幸い、天気予報は外れたようで、雨が降りそうな気配もない。

観光用のガイドブックを持たずに来たので、まずはインフォメーション・センターに地図をもらいに行く。
観光地として有名な街は、観光客用に大きめの地図を用意していることが多いけれど、リューベックではなぜかぺらっぺらのパンフレット一枚(裏は広告)しかもらえなかった。……これだけ見ると、ものすごく見所が少なそうな印象を受けるんだけど、気のせい?

あとで別のインフォメーションをのぞいたら、ほかの街で無料でもらえそうな地図が有料で販売されていた。そうか。マップは「買え」ってことなのね?
ロストック同様、高い建物が少ない街なので、教会や塔を目印に歩けば割とどうにでもなりそうと判断したので、ぺらぺらパンフレットとともに適当に歩くことに決定。


BLOG6529.JPGまずは、車窓から見えたホルステン門へ。駅から徒歩5分ほどのところにあって、ここから旧市街に入ります。
かなり大きいので、カメラに収めるときは少し離れて撮影しないと難しい。うっかりしていると団体客がわーっと集まってしまうので、写真を撮るのも一苦労!最初の一枚は人だかりしか映っていません (これは二枚目)

今回は入っていませんが、塔の中は博物館になっています。

そのまま旧市街に入る。リューベックの旧市街は、「ハンザ都市リューベック」として世界遺産にも登録されています。ヴィスマールもそうだったけれど、旧市街が味わい深くてすてき。(ロストックでは失われてしまったのが悔やまれる)
旧市街に入ってすぐのところにある聖ペトリ教会に立ち寄ってみる。一歩足を踏み入れて、びっくりした。講堂が、真っ白。広くて、天井が高くて、ただただ白い。祭壇も席もなければ、十字架もかかっていない。
なんとこの聖ペトリ教会、戦災を受けたのちに修復されたものの、内装までは復興されなかったため、現在ではミサが行われることはないようです。(つまり「神の家」としては機能していない)高い天井そのままに、真っ白に塗り替えられた講堂は多目的ホールとして生まれ変わった――まさに、「市民のために開かれた教会」。

BLOG6532.JPG展望台に上るのも、エレベーターで一直線。なんだか不思議な感じがしたけれど、「教会!」って身構える必要がないのは、よいかも。
聖ペトリ教会の展望台から見える景色は、絶景でした。リューベックの街が一望できる!さっきまであれほどの存在感を放っていたホルステン門も、ここから見ればこんなにかわいらしい


BLOG6535.JPG次に向かったのは、市庁舎の裏手にある聖マリエン教会。
こちらも戦災に遭い、爆撃を受けて大破した鐘や、壊れたままの柱など、戦争のつめあとはくっきりと残っているものの、内装の大半はきれいに修復されています。
この聖マリエン教会は、北ドイツ(バルト海域)の教会の模範となったといわれる教会。たしかロストックの聖ペトリ教会もこの聖マリエン教会のスタイルを模していたはず。ロストックの聖ペトリ教会は、そのシンプルな内装が気に入っているのですが、基となった聖マリエン教会の内装も非常にわたし好み。すっきりとしていて、重苦しいほどの荘厳さがない(まあ、爆破された鐘をはじめとする反戦のシンボルがいくつかある分、別の意味での重みはありますが)。
なによりうつくしいのは、天井と壁の模様。白と、れんが色のやさしいコントラスト。ステンドグラスがほとんど使われていないので、差し込む光もやわらかい。

BLOG6537.JPG教会だけではなく、リューベックの市庁舎もバルト海域の街の模範とされていたようです。言われてみれば、ロストックの市庁舎と建築スタイルが似ている気がする。(ロストックの市庁舎には「七つの塔」があるので、ちょっと特殊かもしれませんが 追記:むしろこの「七つの塔」がリューベック・スタイルを模したものなのだそうです。あああ勉強不足!)少なくとも、シュヴェリーン(内陸)の市庁舎とはだいぶ趣は違う。……あれ、でも同じハンザ都市のヴィスマールもこのスタイルではなかったような……うーん、もっと勉強しないとな。

お次はトーマス・マンの生家「ブッデンブローク・ハウス」へ。
BLOG6539.JPG一階はパネルが中心の展示で、音声を聞くことも可能。パネルだけのフロアならさっと見ることができそう!なんて思ったのが運のつき。パネルの情報量がとにかく半端ない。
マン家の祖先の話からはじまって、ハインリヒ・マン、トーマス・マンそれぞれの人生、家族そして子孫のはなしが続く。マン家の系譜ってこんなにも濃密だったのか、とびっくりした。読んでも読んでも終わりがない。一通り読んだものの、覚えていられる自信が皆無だったので、展示のブックレットを購入。
二階、三階はハインリヒ・マン、トーマス・マンの作品に関する展示。『ブッデンブローク家の人々』の住まいを再現した展示が面白かった。うーん、ちゃんと作品を読んでいれば「おお!」って思うところがあったんだろうな……恥ずかしながら、冒頭の数ページを読んだところで日本に置いてきたので、まだ読んでいません、はう。

BLOG6542.JPGここまで来たら『ブッデンブローク家の人々』の舞台にもなったリゾート地・トラーヴェミュンデ(Travemünde)まで行かないと!と思ったものの、観光船をぎりぎりのところで乗り過ごしたので、のんびり電車で行くことに。
その前におなかが空いたので、トラーヴェ川のほとりの屋台でフィッシュサンドを購入。ニシンの塩漬け。ちょっと塩っ辛かったけれど、おいしかったー!ドイツにいると、どうしても「にくにく」した生活になりがちだから、お魚は貴重。バルト海沿いはお魚がおいしいのでうれしい。

川沿いに歩いて中央駅まで戻って、トラーヴェミュンデへ。電車で20分。

BLOG6545.JPG目前に広がるバルト海!砂浜!ビーチを満喫する人々!
こんな光景見たことない!と思って、はたと気づいた。わたし、ドイツで海見るのはじめてだ……。水が好きだ、と言いながら、ドイツにいたころはとことん「陸の人間」だったんだなあ。
バルト海。ロストックのヴァルネミュンデまで続く海。北ドイツに来なければ、知らなかったものばかりだ。
ビーチを抜けて、リューベック港のほうへ歩く。リューベック港はバルト海で最大級の規模を誇っている港。リゾート地らしく観光客でにぎわっていて、アイス屋さんなんかは行列!(泣く泣くアイスを食べるのを断念)日曜なのに、開いているお店もたくさんあって、さすがだなあと思った。ここにいるひとたちは地元のひとなんだろうか、それとも連休中に遊びに来た観光客?

電車の時間に合わせてぶらぶらして、リューベック経由で帰路につく。
市電の時間がうまく合わなかったので、ロストック中央駅から30分程度かけてのんびり帰った。日が長くなったから、夜の7時8時はまだまだ明るい。

やっぱりロストックは少し肌寒かったです。
これは夜だからなのか、それとももともと涼しいのか……。
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ドイツ生まれ、ドイツ育ちの「なんとなく日本人」。根っからのラインラントっこ。

日本の大学院で現代ドイツ文学を勉強中。ただいま、ドイツにて「しゅっちょう」修行の旅の途中。今やすっかりメクレンブルクの空と大地と海に心を奪われています。
夢は、日本とドイツをつなぐ「ことばや」さんになること。

深刻になりすぎず、でも真剣に。
こつこつ、しっかり、マイペース。がんばりすぎない程度にがんばります。

2010年4月-9月までロストック(メクレンブルク・フォアポンメルン州)、10月-2011年3月までベルリンに滞在。再度ドイツに留学することが、今後の目標のひとつ。

ぽつぽつと、不定期的に過去の日記を埋めていきます。


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