ゆうゆう自適。
つらつら、まったり。つれづれ(不定期)雑記帳。海風薫るロストックから伯林、そして再び東京へ。再びドイツへ「帰る」日を夢見て、今日も今日とてしゅぎょう中。
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ハインリッヒ・フォン・クライスト著、1808年出版。
ギリシアの将軍アキレスと、アマゾネスの女王ペンテジレーア。
戦場で出会ったふたりは、恋におちる。
相手を打ち負かさない限り、愛を受け入れることができないふたり。
アキレスはペンテジレーアに改めて戦いを挑む。彼はあえて負けるつもりでいたが、彼への愛ゆえに暴走したペンテジレーアに殺されてしまう。
ペンテジレーアは、彼女が放った猟犬とともにアキレスのなきがらに食らいつく。やがて彼女は我にかえるも、己のしでかしたことに衝撃を受け、アキレスのあとを追う。
愛と掟のはざまで揺れるペンテジレーア、その悲痛な想い。
「狂気の物語」と称されることが多い作品だけれど、それだけではないなあ、というのがわたしの印象。
「食べてしまいたいほど、愛してる」
ふと、そんなことばが脳裏をよぎった。
ペンテジレーアはアキレスを愛していた。
でも、故郷の掟には逆らえなかった。
彼を打ち負かして自分のものにしなければならない、その想いが高じての暴走。
カニバリズム?タブー?狂気?
いいえ、それだけではないはず。
この倒錯した愛の物語に、しばし浸ってみるとします。
クライストの文体は、非常に難解。彼の「先輩」に当たるゲーテ、シラーの文体のほうが大分読みやすい。
『ペンテジレーア』も実は細かいところがよくわかってないので、読み終わったと同時に翻訳を調達。
吹田順助訳、1941年。
タイトル、右から左読み。
旧かなづかい。
よ、読めない……!
原文のわからないところをカバーするために翻訳を借りてきたのに、どちらかというと「翻訳でわからないところを原文で確認する」になってる。本末転倒だ。
でも、旧かなづかいは味があるので、がんばって読もう。
ちなみに原文”Penthesilea”は図書館では借りられず(別の先生にごそっと借りられていたり、持ち運びのできない豪華装丁版しかなかったり、老朽化により貸出禁止になってたり)、注文した本もいつまでたっても届かないので、先生に泣きついて借りました。長い道のり……。
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かれんだー
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ドイツ生まれ、ドイツ育ちの「なんとなく日本人」。根っからのラインラントっこ。
日本の大学院で現代ドイツ文学を勉強中。ただいま、ドイツにて「しゅっちょう」修行の旅の途中。今やすっかりメクレンブルクの空と大地と海に心を奪われています。
夢は、日本とドイツをつなぐ「ことばや」さんになること。
深刻になりすぎず、でも真剣に。
こつこつ、しっかり、マイペース。がんばりすぎない程度にがんばります。
2010年4月-9月までロストック(メクレンブルク・フォアポンメルン州)、10月-2011年3月までベルリンに滞在。再度ドイツに留学することが、今後の目標のひとつ。
ぽつぽつと、不定期的に過去の日記を埋めていきます。
日本の大学院で現代ドイツ文学を勉強中。ただいま、ドイツにて「しゅっちょう」修行の旅の途中。今やすっかりメクレンブルクの空と大地と海に心を奪われています。
夢は、日本とドイツをつなぐ「ことばや」さんになること。
深刻になりすぎず、でも真剣に。
こつこつ、しっかり、マイペース。がんばりすぎない程度にがんばります。
2010年4月-9月までロストック(メクレンブルク・フォアポンメルン州)、10月-2011年3月までベルリンに滞在。再度ドイツに留学することが、今後の目標のひとつ。
ぽつぽつと、不定期的に過去の日記を埋めていきます。