ゆうゆう自適。
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クリスマス当日。
友達と3人でオペラ「フィガロの結婚」を観に行ってきました。
すごく有名な演出家の手掛けた舞台であると聞いて、ものすごく期待が高まっていたのだけれど、その期待を裏切らないすてきな公演でした。
家臣・フィガロの結婚をめぐるどたばた劇。
「セビリアの理髪師」の続編にあたる作品(ただしロッシーニ版は「フィガロ」よりもあとに完成)ですが、前作を知らなくても十分楽しめるつくりになっています。
フィガロとスザンナ、
スザンナに横恋慕する浮気者の伯爵、
伯爵の心離れを嘆く夫人ロジーナ、
惚れっぽい小姓のケルビーノ……
どの登場人物もいとおしくってにくめない。
オケの演奏やソリストたちの歌唱力がよい、というのももちろんありますが、ソリストの細やかな演技がとても印象に残りました。コミカル、かつ、キュート。劇場全体が心地よい笑いに包まれることもしばしば。
特に、当初フィガロと結婚しようとしていたマルチェリーナと、フィガロに復讐しようとしていたドン・バルトロが実はフィガロの実の両親であることが判明し、めでたしめでたし……となるくだりが面白かった。
少年ケルビーノを演じるのは女性なのですが、これまた可愛い!
こんな男の子にぺたぺた触られても、お姉さま方は怒れないよね。
そんなケルビーノの「恋とはどんなものかしら」。
曲は知っていたけれど、歌として聴いたのははじめて。
冒頭のフィガロとスザンナが新居について話しているシーンの劇中曲も、その昔ピアノで引いたことのある曲だった。初級用の楽譜で、「フィガロの結婚より」というタイトルしかついていなかったから、どんなシチュエーションで歌われるのか見当もつかなかった。15年近く抱えていた謎が、今日ようやく解決。
舞台もファンシー。
見えにくいですが、舞台の周りにお花がちりばめられています。
「わあ、お花……」と思っていたら、隣で友達が「あれなに?ゴミ?」とか言っているのが面白くて吹いた。ゴミじゃない!ゴミじゃないと信じたい!(誰にも花だと言われていないけれど、花だよね、あれ?)
素晴らしい内容だっただけに、舞台装置の切り替えにやたらと時間がかかって、テンポが多少悪くなっていたのが残念。第3幕→第4幕と移行するあたりなど、暗転してから5分ほどそのままに……。
さすがに会場もざわざわしはじめて、隣に座っていたおばあさんなど「フィガロの結婚式が無事に行われたのだから、もう終わりなのよね?」と訊いてきて、「いやいやこのあとまだ続きがあります」と説明するのに必死だった。最初、気を利かせてジョークでも言ったのかと思ったけれど、目は真剣そのもの。あー、焦った。
でも、全体的には本当に本当によい公演でした。
今まで、シラー劇場で観た「トスカ」が自分の中でダントツだったけれど、「フィガロの結婚」はそれに匹敵するくらい素晴らしかった。テンポさえ悪くなかったら、「今まで観た一番よいオペラ」になっていたかも。
外は、ホワイト・クリスマス。
観劇後は近くのレストランに入って、おしゃべりしながらまったりご飯。
こういうクリスマスもまた、よいねえ。
ベルリンに来てからいろんなオペラ、バレエ、ストレートプレイ(演劇)を観ました。
このブログでは複数カテゴリの設定ができないので、年末に向けてリンクつきのリストを作ろうと思っています。
国外逃亡する前にできるかな……。
ぽつぽつ日付が抜けている分も、書き足したいんだけれど。
うー。
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かれんだー
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ぷろふぃーる
日本の大学院で現代ドイツ文学を勉強中。ただいま、ドイツにて「しゅっちょう」修行の旅の途中。今やすっかりメクレンブルクの空と大地と海に心を奪われています。
夢は、日本とドイツをつなぐ「ことばや」さんになること。
深刻になりすぎず、でも真剣に。
こつこつ、しっかり、マイペース。がんばりすぎない程度にがんばります。
2010年4月-9月までロストック(メクレンブルク・フォアポンメルン州)、10月-2011年3月までベルリンに滞在。再度ドイツに留学することが、今後の目標のひとつ。
ぽつぽつと、不定期的に過去の日記を埋めていきます。