ゆうゆう自適。
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「しゅっちょう」で新潟へ。
バウハウス展@新津美術館です。
今回のお仕事は、「通訳」というよりは「案内係」。
ドイツからいらっしゃるバウハウス・デッサウ財団の副館長さんを成田でお迎えして、新潟までお連れするのが最重要ミッション。
副館長の搭乗機はルフトハンザ。
ルフトハンザ、成田着、午前7時50分。はやいよねむいよ。
朝5時に起きて、6時半に家を出る。
各停に乗って一駅、そこからは成田まで一本。らくちん。
佐倉まで一時間弱ほど立ちっぱなしだったけれど、ぼうっとしていたおかげで(?)特に苦にならず。
むしろ空港に着いて、航空便発着情報ボード上に「DELAYED」の文字を見たときのほうが衝撃的だった。一時間遅延。きゃー。
ぼうっとすること一時間。どうにか飛行機が到着。
更に30分ほど待つと、ルフトハンザのCAが登場。
とりあえず、「ボス」に指定された待ち合わせ場所、「ミーティングポイント」に移動する。
しかしこのミーティングポイント、到着ロビーからは死角になっているし、成田に詳しくないひとには厳しいんじゃないのか。外国人なら、なおさら!
到着ロビーに立って、目印のロゴカードを持っていたほうが確実な気がする。
間を取って、到着ロビーが見えるあたりに陣取る。
わたしは副館長の顔を知っているけれど(写真をもらった)、副館長はわたしの顔を知らない。できるだけ早く見つけてあげなければ。
待つことしばらく、副館長らしきひとを見つける。
案の定ミーティングポイントには見向きもせず、到着ロビー付近を見まわしていたので、ロゴカード片手にダッシュで接近。
ごあいさつ。
笑顔がキュートな、とっても気さくな女性でした。
リムジンバスに乗って東京駅へ。
副館長もわたしもくったりして、バスの中ではひたすら爆睡。
途中でディズニーリゾートが見えた。京葉線沿いに走るんだー。
急に、日本に一時帰国したときのことを思い出す。到着はやっぱり第一ターミナルで、飛行機はルフトハンザ。おじさんが車で迎えに来て、みんなで一緒におかやんの実家(=旧拠点)に行ったっけ。ううん、デジャ・ヴュ?
リムジンバスは途中で渋滞に引っ掛かって遅延。予定より30分遅れて到着。
次の新幹線に乗って、新潟へ。相変わらず二人ともくったりして、道中の半分ほどは爆睡。
すでにお昼の時間を回っていたので、そのまま新潟駅でお昼を食べることに。
前回いらしていたキュレータ方おすすめのおそば屋さんへ。へぎそば。すっごくおいしかった。
副館長も気に入ってくれたみたいで、まずは一安心。
そのまま駅前のホテルでチェック・イン。
副館長の希望で、美術館視察は翌日に回すことになったので、夕食まではゆったりフリータイム。
部屋で少し休んでから、ひとりで万代橋・信濃川のほうまでお散歩。どこの街でも、どこの国でも、川のある情景はいいね。ほっとする。
夜は「ボス」の同僚と3人でごはん……のはずが、展示の最終チェックが終わらず、急遽副館長とふたりでディナーすることに。もはや「案内係」ではなく、「エセ接待」。
ホテルのフロントでおすすめのお店を教えてもらう。和食屋さん。
東京の感覚でお刺身とサラダと焼き物を頼んだら、……とんでもない量が出てきた。特にお刺身の盛り合わせ二人前は絶対に二人前じゃない、四人でもいける。地元プライス?
めちゃくちゃおいしかった。お刺身天国。
副館長の希望でこしひかりをお願いする。お味噌汁も頼んだほうがいいかな?と思ったものの、選択肢は「なめこ汁」と「あら汁」。……どっちもいきなりチャレンジするにはハードル高いな……。
あら汁をチョイスしてみるも、これはお口に合わなかったらしい。残念。うーん、もしかしたらなめこ汁のほうが、案外いけたかもしれない。
でも、お刺身もご飯もサラダも気に入ってくれたみたいで、ほっとした。接待成功、かな?
その後、ふたりでゆったりお散歩。駅前から信濃川に向かい、川沿いに歩いて一周。
夕方と夜とでは、雰囲気が全然違う。風が気持ちよくて、景色もとってもきれい。
「この川、ライン川に似ていない?」と副館長に言われて、ああそうか、と思った。
万代橋、信濃川。この景色が、デュッセルドルフの橋から見るライン川の情景によく似ている。
「新潟は、どことなくドイツと雰囲気が似ている気がする」
副館長のことばに、ああこの辺を歩いていてなんとなくほっとするのはそういうことかなあ、としみじみ思った。
大きすぎず小さすぎず、新潟の街は規模からして自分の性に合うかも……と思ったのは、そういうことなのかな。
お部屋に戻る直前に、副館長からおみやげをいただく。
バウハウスの本と、神経衰弱カードゲームと、メモ&エンピツ。そしてなぜかMozartkugeln(オーストリア・ドイツの定番チョコレート。モーツァルトのパッケージが目印の、マジパンチョコレート)。
本は、実は以前にいただいたことがあるんだけれど、それでも嬉しい。
驚いたことに、この本の著者が副館長だった!そうか、5か月前にもらった本の著者と今、一緒にいるんだ!
おやすみなさい、と告げて解散。
ぅあー、つかれたけれど、それ以上に楽しかった!
明日は単なる同行者だけれど、最後の最後までがんばるぞ。
和食屋さんにて。
「なにを研究しているの?」と訊かれ、クリスタ・ヴォルフの『カッサンドラ』で論文を書いているんですと答えると、
「ずいぶんと難しい作品を選んだのね」
と苦笑された。
ええ、ええ、ノリとテンションで選んだはいいものの、三ヶ月くらい前からその浅はかさをくやみはじめておりまする。一筋縄じゃいかないよー!
「でも、素晴らしい作品よね」
そう言われて、はじめてドイツ人から『カッサンドラ』の肯定的意見を聞いたなあ、ということに気がついた。なんだか嬉しい。
ドイツについて、日本について、いろんなお話ができて本当に楽しかった。
本日の反省点は、
・もっと日本語ドイツ語の橋渡しに磨きをかけたい
・語彙を増やしたい
だなあ。
たぬきってドイツ語でなんて言うんだ。
パチンコってどう説明すればいい?
魚と野菜に関しては、ドイツ語の語彙は絶望的。
修行あるのみ。
当たり前だと思っていることって、実は当り前じゃないのよね、ということを身をもって教わりました。
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かれんだー
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ぷろふぃーる
日本の大学院で現代ドイツ文学を勉強中。ただいま、ドイツにて「しゅっちょう」修行の旅の途中。今やすっかりメクレンブルクの空と大地と海に心を奪われています。
夢は、日本とドイツをつなぐ「ことばや」さんになること。
深刻になりすぎず、でも真剣に。
こつこつ、しっかり、マイペース。がんばりすぎない程度にがんばります。
2010年4月-9月までロストック(メクレンブルク・フォアポンメルン州)、10月-2011年3月までベルリンに滞在。再度ドイツに留学することが、今後の目標のひとつ。
ぽつぽつと、不定期的に過去の日記を埋めていきます。