ゆうゆう自適。
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
師匠と面談。
相も変わらずヴォルフ・クライスト・ペンテジレーアとrendez-vous。だんだん「腐れ縁」のような気がしてきた。
今日はクライストとゲーテの「愛憎劇」。
ゲーテはクライストがキライ(というより生理的に受けつけない)。
クライストはゲーテにあこがれているけれど、可愛さ余って憎さ百倍なのか、己の作品を挑戦的に突きつけたりなんかもしている。
ゲーテは「臆病」で、病気やその他こわいものがだいっきらい。
ロマン派はキライ、もちろんクライストもキライ、ついでにベートーベンもキライだったとか(でもモーツァルトはすきだったとか、なかったとか)。
……らしい。
こんなゲーテと、あんなクライストが「なかよし」になれるわけがない。
師匠とふたりで「クライスト&ゲーテの愛憎劇」を再現しつつ論文を読んでいたら、かなり楽しかった。カフカ研究を読んでいても思うけれど、「伝記」って扱いかた次第で無性に面白くなる。
ヴォルフの文章は相変わらずカタイけれど、クライストVSゲーテの節の論じかたはなめらかで上手だなあ、と思った。
個人的には理性でがっちり、なゲーテの作品よりも、どこかいっちゃってるクライストのテクストのほうが読み応えがあるかなー。難易度もケタ違いだけど。
一番印象に残ってるのは『公子ホンブルク』で、主人公ホンブルクはどこかの令嬢が落とした手袋を拾い、(持ち主に会う前に)恋をするのですが、思わず「どんなフェチだよ!」と突っ込みたくなる。ペンテジレーアはペンテジレーアで最愛のひとを文字通り「食べちゃう」し、ストーリーの展開がとにかく「理性」では測れない。
いっちゃってるテクストって、やっぱり強烈なエネルギーを秘めてると思うのです。読み手の心を捉えて離さない、そんな。わたしがペンテジレーアからなかなか逃れられないのも、そんなエネルギーにからめとられているからなのかもしれない。
年内にペンテジレーア論を読み終えるために、来週は「集中講義」です。
なんかもう泥沼。
面談終了後に、師匠に「相談」に乗ってもらう。(ってそんな大仰なものではなくて、ちょっとしたぐちぐちを聞いてもらっただけだけれど)
ああそうか、わたしはわたしのままでいいのね、
とか、
気にせず、堂々と胸を張ってていいんだね、
とか、
だいぶ勇気づけてもらった。
今年、「これをやってよかったなあ」と思ったことを評価していただけたのが、一番うれしい。
ちょっと自信が持てました。
研究者として、人間として尊敬している師匠に一生ついていきたい!と思うのは、こんな瞬間。
この記事へのトラックバック
かれんだー
02 | 2024/03 | 04 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
31 |
りんく
かてごり
最新とらっくばっく
ぷろふぃーる
日本の大学院で現代ドイツ文学を勉強中。ただいま、ドイツにて「しゅっちょう」修行の旅の途中。今やすっかりメクレンブルクの空と大地と海に心を奪われています。
夢は、日本とドイツをつなぐ「ことばや」さんになること。
深刻になりすぎず、でも真剣に。
こつこつ、しっかり、マイペース。がんばりすぎない程度にがんばります。
2010年4月-9月までロストック(メクレンブルク・フォアポンメルン州)、10月-2011年3月までベルリンに滞在。再度ドイツに留学することが、今後の目標のひとつ。
ぽつぽつと、不定期的に過去の日記を埋めていきます。