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ゆうゆう自適。

つらつら、まったり。つれづれ(不定期)雑記帳。海風薫るロストックから伯林、そして再び東京へ。再びドイツへ「帰る」日を夢見て、今日も今日とてしゅぎょう中。
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国会議事堂をはじめてこの目で見てから、もうすぐ8年が経とうとしています。
誰でも気軽に入れる、ガラスのドームを冠した統一ドイツの国会議事堂。長蛇の列ができていたので、泣く泣くあきらめたのでした。

ロストック~ベルリンで生活をしたこの1年、中央駅を利用あるいは通過をすることが非常に多かったため、特にめずらしい風景ではなくなりましたが、「いつかは中に入らないとなあ」という気持ちは漠然とありました。

昨年末、かつて一緒に国会議事堂の前に経った大学の同期が遊びに来ました。8年越しに議事堂の中に入ろうか!というはなしになったのですが、その直前にあったテロ疑惑の影響でセキュリティがより厳重になり、事前予約なしでの入館が無期限停止になりました。現在でも、事前予約がなければ議事堂に入ることはできません。その予約も、3~4週間前にすることが望ましいと……。


しかし今回、「たのしごと」の一環で中に入る機会を得ました!
日本人の学生さんの付き添いのようなかたちで、ドイツ語のガイド案内をところどころ日本語に訳すというおしごと。

入館前になにかしらの手続きをする必要は特にありませんでしたが、

議事堂横に建てられたコンテナに入ってパスポートチェック&荷物チェック、
議事堂に入ってすぐに荷物チェック(X線)およびボディチェック、
正面玄関の写真撮影禁止、

と、うわさにたがわぬ厳戒態勢に入っていました。
(そのため、今回正面から撮った写真がありません)

それでも、一旦建物内に入ってしまえば、こっちのもの。入るまでが勝負です。


中に入ったら、別の意味での勝負が待ち構えていた。
「ところどころ通訳」は、なんとまさかの「逐次通訳」だった!

ツアーが行われる1時間半、議事堂にまつわるガイド案内をすべて日本に訳さなければならない。

予期せぬ事態にびっくりはしたものの、比較的落ち着いて取り組めたような……気がする。
日本語の語彙と記憶力がすこぶる残念なことになっているので、学生さんに全部伝わったのかという不安は残るけれど、引率の先生もその場に立ち会ってサポートしてくださったので、たぶんだいじょうぶ。うん。そう思いたい。

それにしても、

「なるほどなあ」と
「あ、これ覚えなくちゃ」と
「これ、日本語でなんて言うんだっけ?」が

ごっちゃになっている瞬間はとことんカオスです。

ゆっくり写真を撮る暇もなかったので、オーディオガイドにバトンタッチするガラスのドームまではほとんど記録がありません。うう。あとで学生さんから頂戴するかな……。


なけなしの内部写真、ご紹介。

DSCF5095.JPG

議事堂内にある小さな礼拝堂。
特定の宗教に限らず、すべての宗派のひとが祈りを捧げられるようにデザインされた部屋。現行の政権はキリスト教系の党が握っているので、「十字架を立てろ」という要求があったそうですが、この部屋をデザインしたアーティストが反発したため、妥協案としてシンプルな木製の十字架を祭壇に「横たえて」あります。

会議が行われている期間は、ここでミニ・ミサが開かれるそうです。
 

DSCF5097.JPG DSCF5096.JPG
 

国会議事堂の壁は、「3つの時代」から成ります。

1884年~1894年に建てられたときの外壁。はじまりの石。
1945年、赤軍の兵士によるラクガキで覆われた壁。瓦礫の記憶。
そして1995年~1999年に一新された際のコンクリート。

3つの時代が、建物の中で共存している。

赤軍のラクガキ、クローズアップ。
上に「モスクワ~スモレンスク~ベルリン」というラクガキが。
大半は名前なんだそうです。

DSCF5101.JPG

国会議事堂のメイン・ホール。
椅子は、各政党ごとにブロックに分かれています。議会が新しく編成された場合、椅子を取り外して新しいブロックを作り直すのだとか。なるほど納得。

DSCF5103.JPG

ガラスのドームへ出る直前の、空中回廊。
この回想に、各政党に割り当てられた部屋があります。

そしてガラスのドームへ。

DSCF5108.JPG

中央に立つ逆三角錐(?)は、800枚の鏡から成っています。
ここで反射された光は、下のホールに降り注ぐ設計になっているらしい。

トータルデザインのアート。

螺旋階段、ぐるぐる。

DSCF5111.JPG

てっぺん、雨の日も、風の日も、雪の日も、開きっぱなしのようです。
というか天井みたいなものは存在していない。

ここから、空気が下のホールに流れるのだとか。
ちなみに、雨は降らないように設計されています。

DSCF5113.JPG

上からホールを見降ろして。
ここから石を投げる輩がいそうだなとふと思ったのですが、たぶん、石を投げつけたくらいでは壊れない、強化ガラスかなにかを使っていることでしょう。


逐次通訳だけで疲労困憊しましたが、大変勉強になりました。
議会のしくみというよりは、「アートとしての国会議事堂」の歴史がおもしろかったなあ。

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ドイツ生まれ、ドイツ育ちの「なんとなく日本人」。根っからのラインラントっこ。

日本の大学院で現代ドイツ文学を勉強中。ただいま、ドイツにて「しゅっちょう」修行の旅の途中。今やすっかりメクレンブルクの空と大地と海に心を奪われています。
夢は、日本とドイツをつなぐ「ことばや」さんになること。

深刻になりすぎず、でも真剣に。
こつこつ、しっかり、マイペース。がんばりすぎない程度にがんばります。

2010年4月-9月までロストック(メクレンブルク・フォアポンメルン州)、10月-2011年3月までベルリンに滞在。再度ドイツに留学することが、今後の目標のひとつ。

ぽつぽつと、不定期的に過去の日記を埋めていきます。


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