ゆうゆう自適。
つらつら、まったり。つれづれ(不定期)雑記帳。海風薫るロストックから伯林、そして再び東京へ。再びドイツへ「帰る」日を夢見て、今日も今日とてしゅぎょう中。
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Lange Nacht der Museen.
「ミュージアムの長い夜」。
ベルリンでは毎年2回開催されるイベントで、夜(今回は18時から翌日午前2時まで)、指定の美術館・博物館をはじめとする施設が特別に開かれるというもの。
今回のLange Nacht der Museenには、Körper trifft Seele (身体と魂が出会う)というモットーのもと、70もの施設が参加しています。
ふだん、入館できない時間帯に博物館や美術館をめぐる。
いつもだったら足を踏み入れることさえできない場所を、のぞいてみたりする。
そう考えただけで、わくわくするようなイベントです。
まるで「メトロポリタン・ミュージアム」の世界。
まずは、未だかつて行ったことのない水族館へ!
18時ちょっと前に水族館へ向かったものの、この時点で結構な人だかり。
これは混みそうだなー……と思いきや、中は案外広く、特に移動に困ることはなかった。
控えめな照明の中、ゆっくりと水族館を回る。
1913年にオープンしたというこの水族館の建物は年季が入っていて、味わいがある。ところどころにある、おさかなのステンドグラスがまたすてき。
各水槽には、色とりどりのおさかなが。
本当に、どれだけ見ても飽きない。何時間でもいられそうな気さえする。
白いサメ、そしてエイがダイナミックだった。
ふわふわっと水中を舞うクラゲが、とてもきれいだった。
お次は、Altes Museum(旧博物館)。
ペルガモン博物館にあった古代ギリシア・ローマの彫刻がぜーんぶこちらに移動したということで、ずっと行きたかった場所のひとつ。
ここも長蛇の列ができていて(入場制限!)、寒い中20分ほど待つことに。でも、中は比較的ゆったりと回ることができた。
テーマは「ベルリンにおけるエトルリア人とローマ人」。
古代ギリシア・ローマ萌え人間として、これは外せません!
彫刻コーナーでは、友達を放って写真撮影。
メデイアのレリーフを(技術上の問題で)撮ることができなかったのが、唯一の心残りです。
階下には古代ギリシア・ローマの神々の彫刻が。
古代ギリシア・ローマの神々といえば「人間と変わらない神さま」。全能の神ゼウスは(ダナエの件でも触れましたが)とっても浮気性。ここで韓国人の友達(社会学専攻)が、「神々の不貞が許されるようであれば、人間社会のモラルはどうなる」と疑問を呈した。
うーん。
神々の不貞は許される。
人間の身で神々の寵愛を受けるのは大変名誉なこと。
……とはいうけれど、結婚の女神ヘラなどはとてもとても嫉妬深かったりする。夫ゼウスの愛人やその子どもに対してもまったく容赦がない。
ローマ人も古代ギリシア人も基本的にはとても信心深い民。「浮気をしたら(結婚という制度を軽んじたら)ヘラに報復される!」という恐怖があったのではないだろうか、と率直に思うんだけれど、実際にはどうだったんだろうな。これはちゃんと調べなくては。
ついでなので、すぐ近くにあったDeutsches Historisches Museum(ドイツ歴史博物館)にも寄った。ヒトラー展のほうはふたりともすでに見ていたので、あえて常設展のほうに足を運んでみた。
これがまた、すっごく広かった。
全部きちんと見ようとしたら、丸1日はかかる。
そんなわけで、ざっと展示全体に目を通す感じで歩くことに。
ゲルマン民族の時代から、17世紀、18世紀……と、どんどん時を渡っていく。
意外にも、絵画が多く飾られていた。
ドラクロワのLa Liberté guidant le peupleのレプリカを見ることができた。
講義で絵の大きさについて説明を受けたときはぴんとこなかったけれど、なるほど人物はほぼ原寸大に描かれていて、フォーマットも正方形に近い。
「皇帝ナポレオン」の絵もあった。
見知った絵を現物大で見るのは、とても楽しい。
次に向かったのは、Schwules Museum(同性愛博物館)。
世界で唯一の、同性愛をテーマとした博物館なのだそうです。
まずは特別展示「ジャン・ジュネ生誕100年に際して」を観たのですが、ここでまず最大級のインパクトを受ける。数々のきわどい画像に映像……これは、日本では間違いなく公開できない。ジュネのショート・フィルム「愛の詩」が別室で流れていたけれど、これがなんと18禁指定。すごい。
さまざまな知識人がジュネに寄せたコメントが壁一面に貼られていて、とても興味深かった。サルトルのジュネ論、そしてジュネ本人の著作も読んでみたいと思わせる。
常設展では、ドイツにおける同性愛の歴史が紹介されていた。同性愛を規制する法律の推移など、新たな知識を得るという意味でものすごく面白かったんだけれど、文字で埋め尽くされたパネルの量がとにかく多くて、最後のほうはエネルギー切れ……残念。
同性愛についていかに勉強不足かを思い知らされた。
ゲイないしレズビアンであろうとそうでなかろうと、この博物館は一見の価値あり。(ただし18歳以下のいたいけな少年少女の入館はちょっとマズイかもしれない)
シメはベルリンのシンボル・赤の市庁舎!
普段は中に入ることができない市庁舎が、なんと今回のLange Nacht der Museenでは一般市民に開かれているのです。これは入るしかない。
やはりというかなんというか、内部はとても豪奢でした。レッド・カーペットがお出迎え。
特別展示の「彫刻の間」や宰相ビスマルクの絵が飾られたホールで行われるダンス・ショウ(「会議は踊る」ならぬ「議会で踊る」!)、市長室公開など、楽しいイベントが目白押し。
深夜12時に、ベルリン市庁舎の中をめぐる。
Lange Nacht der Museenのハイライトにふさわしいスポットでした。
17時半から深夜2時まで、ほとんど歩き通しだったけれど、とてもとても楽しい夜だった。
家族連れ、カップル、友達同士、観光客……年齢や国籍も超えて、さまざまなひとたちが夜のベルリンを駆ける。美術館や博物館を訪れるために。ふだん、あまり美術館などでは見かけない若い子たちも、友達連れで楽しそうに歩いていた。
こんなふうに、文化施設が身近に感じられるイベントって、とてもすてきだなあと思う。
長年ドイツで生活してきたけれど、こんな体験は今までしたことがなかった。
さすがベルリン、文化と芸術の都。
「ミュージアムの長い夜」。
ベルリンでは毎年2回開催されるイベントで、夜(今回は18時から翌日午前2時まで)、指定の美術館・博物館をはじめとする施設が特別に開かれるというもの。
今回のLange Nacht der Museenには、Körper trifft Seele (身体と魂が出会う)というモットーのもと、70もの施設が参加しています。
ふだん、入館できない時間帯に博物館や美術館をめぐる。
いつもだったら足を踏み入れることさえできない場所を、のぞいてみたりする。
そう考えただけで、わくわくするようなイベントです。
まるで「メトロポリタン・ミュージアム」の世界。
まずは、未だかつて行ったことのない水族館へ!
18時ちょっと前に水族館へ向かったものの、この時点で結構な人だかり。
これは混みそうだなー……と思いきや、中は案外広く、特に移動に困ることはなかった。
控えめな照明の中、ゆっくりと水族館を回る。
1913年にオープンしたというこの水族館の建物は年季が入っていて、味わいがある。ところどころにある、おさかなのステンドグラスがまたすてき。
各水槽には、色とりどりのおさかなが。
本当に、どれだけ見ても飽きない。何時間でもいられそうな気さえする。
白いサメ、そしてエイがダイナミックだった。
ふわふわっと水中を舞うクラゲが、とてもきれいだった。
お次は、Altes Museum(旧博物館)。
ペルガモン博物館にあった古代ギリシア・ローマの彫刻がぜーんぶこちらに移動したということで、ずっと行きたかった場所のひとつ。
ここも長蛇の列ができていて(入場制限!)、寒い中20分ほど待つことに。でも、中は比較的ゆったりと回ることができた。
テーマは「ベルリンにおけるエトルリア人とローマ人」。
古代ギリシア・ローマ萌え人間として、これは外せません!
彫刻コーナーでは、友達を放って写真撮影。
メデイアのレリーフを(技術上の問題で)撮ることができなかったのが、唯一の心残りです。
階下には古代ギリシア・ローマの神々の彫刻が。
古代ギリシア・ローマの神々といえば「人間と変わらない神さま」。全能の神ゼウスは(ダナエの件でも触れましたが)とっても浮気性。ここで韓国人の友達(社会学専攻)が、「神々の不貞が許されるようであれば、人間社会のモラルはどうなる」と疑問を呈した。
うーん。
神々の不貞は許される。
人間の身で神々の寵愛を受けるのは大変名誉なこと。
……とはいうけれど、結婚の女神ヘラなどはとてもとても嫉妬深かったりする。夫ゼウスの愛人やその子どもに対してもまったく容赦がない。
ローマ人も古代ギリシア人も基本的にはとても信心深い民。「浮気をしたら(結婚という制度を軽んじたら)ヘラに報復される!」という恐怖があったのではないだろうか、と率直に思うんだけれど、実際にはどうだったんだろうな。これはちゃんと調べなくては。
ついでなので、すぐ近くにあったDeutsches Historisches Museum(ドイツ歴史博物館)にも寄った。ヒトラー展のほうはふたりともすでに見ていたので、あえて常設展のほうに足を運んでみた。
これがまた、すっごく広かった。
全部きちんと見ようとしたら、丸1日はかかる。
そんなわけで、ざっと展示全体に目を通す感じで歩くことに。
ゲルマン民族の時代から、17世紀、18世紀……と、どんどん時を渡っていく。
意外にも、絵画が多く飾られていた。
ドラクロワのLa Liberté guidant le peupleのレプリカを見ることができた。
講義で絵の大きさについて説明を受けたときはぴんとこなかったけれど、なるほど人物はほぼ原寸大に描かれていて、フォーマットも正方形に近い。
「皇帝ナポレオン」の絵もあった。
見知った絵を現物大で見るのは、とても楽しい。
次に向かったのは、Schwules Museum(同性愛博物館)。
世界で唯一の、同性愛をテーマとした博物館なのだそうです。
まずは特別展示「ジャン・ジュネ生誕100年に際して」を観たのですが、ここでまず最大級のインパクトを受ける。数々のきわどい画像に映像……これは、日本では間違いなく公開できない。ジュネのショート・フィルム「愛の詩」が別室で流れていたけれど、これがなんと18禁指定。すごい。
さまざまな知識人がジュネに寄せたコメントが壁一面に貼られていて、とても興味深かった。サルトルのジュネ論、そしてジュネ本人の著作も読んでみたいと思わせる。
常設展では、ドイツにおける同性愛の歴史が紹介されていた。同性愛を規制する法律の推移など、新たな知識を得るという意味でものすごく面白かったんだけれど、文字で埋め尽くされたパネルの量がとにかく多くて、最後のほうはエネルギー切れ……残念。
同性愛についていかに勉強不足かを思い知らされた。
ゲイないしレズビアンであろうとそうでなかろうと、この博物館は一見の価値あり。(ただし18歳以下のいたいけな少年少女の入館はちょっとマズイかもしれない)
シメはベルリンのシンボル・赤の市庁舎!
普段は中に入ることができない市庁舎が、なんと今回のLange Nacht der Museenでは一般市民に開かれているのです。これは入るしかない。
やはりというかなんというか、内部はとても豪奢でした。レッド・カーペットがお出迎え。
特別展示の「彫刻の間」や宰相ビスマルクの絵が飾られたホールで行われるダンス・ショウ(「会議は踊る」ならぬ「議会で踊る」!)、市長室公開など、楽しいイベントが目白押し。
深夜12時に、ベルリン市庁舎の中をめぐる。
Lange Nacht der Museenのハイライトにふさわしいスポットでした。
17時半から深夜2時まで、ほとんど歩き通しだったけれど、とてもとても楽しい夜だった。
家族連れ、カップル、友達同士、観光客……年齢や国籍も超えて、さまざまなひとたちが夜のベルリンを駆ける。美術館や博物館を訪れるために。ふだん、あまり美術館などでは見かけない若い子たちも、友達連れで楽しそうに歩いていた。
こんなふうに、文化施設が身近に感じられるイベントって、とてもすてきだなあと思う。
長年ドイツで生活してきたけれど、こんな体験は今までしたことがなかった。
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ドイツ生まれ、ドイツ育ちの「なんとなく日本人」。根っからのラインラントっこ。
日本の大学院で現代ドイツ文学を勉強中。ただいま、ドイツにて「しゅっちょう」修行の旅の途中。今やすっかりメクレンブルクの空と大地と海に心を奪われています。
夢は、日本とドイツをつなぐ「ことばや」さんになること。
深刻になりすぎず、でも真剣に。
こつこつ、しっかり、マイペース。がんばりすぎない程度にがんばります。
2010年4月-9月までロストック(メクレンブルク・フォアポンメルン州)、10月-2011年3月までベルリンに滞在。再度ドイツに留学することが、今後の目標のひとつ。
ぽつぽつと、不定期的に過去の日記を埋めていきます。
日本の大学院で現代ドイツ文学を勉強中。ただいま、ドイツにて「しゅっちょう」修行の旅の途中。今やすっかりメクレンブルクの空と大地と海に心を奪われています。
夢は、日本とドイツをつなぐ「ことばや」さんになること。
深刻になりすぎず、でも真剣に。
こつこつ、しっかり、マイペース。がんばりすぎない程度にがんばります。
2010年4月-9月までロストック(メクレンブルク・フォアポンメルン州)、10月-2011年3月までベルリンに滞在。再度ドイツに留学することが、今後の目標のひとつ。
ぽつぽつと、不定期的に過去の日記を埋めていきます。