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ゆうゆう自適。

つらつら、まったり。つれづれ(不定期)雑記帳。海風薫るロストックから伯林、そして再び東京へ。再びドイツへ「帰る」日を夢見て、今日も今日とてしゅぎょう中。
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ドイツの演劇団体【リミニ・プロトコル】のお芝居「カール・マルクス:資本論、第一巻」を観てきました。あの『資本論』を演劇で!

最終公演が残っているので、続きはリンクからどうぞ。


ドイツ語の劇なので、ドイツ語関係者に会うかな……と思ってはいたけれど、まさか幼なじみのSちゃんとばったり遭遇するとは思っていなかった約一年ぶり!

講演後、SちゃんとSちゃんのお友達(ドイツ人)と一緒にまったりお茶。
Sちゃんと久々にお話できて、そして新しいお友達もできて、なんともサプライズな一日でした。


以下、ネタバレ含みます。


出演者はプロの役者ではなく、あるテーマに関して特別な知識や経験を持つ一般人たち(すなわち素人)。
さまざまな分野で活躍する人々が、『資本論』を片手に自らの人生を語りだす。

前半部は『資本論』の抜粋と、次々と浮き彫りになっていく登場人物12人のバックグラウンドを理解するのに相当なエネルギーを費やし、ややへろへろの状態に。後半にもなってくると情報の整理ができるようになってきて、すんなりと話の流れに乗れるようになった。


ひとことでいうと、とてもとても神経の使う舞台鑑賞した。

本棚を模した舞台の上で、役者たちが舞台をひっきりなしに移動する。棚によじ登ったたり、本棚の裏側から顔をのぞかせたり。

その様子を見ているだけでも十分面白いのだけれど、舞台に注意を払いながらも天井付近の字幕を読むのは至難の業。独→日はともかく(でも『資本論』から抜粋したり、早口でまくし立てられたときはものすごくお世話になった)、露→日は字幕なしでは理解できない……。

飛び交うドイツ語・日本語・ロシア語・中国語。
字幕が出ないときもあるので、客層によっては「ことばがわからない」こともあったと思う。

観客に『資本論』の翻訳三冊セットを手渡す、というパフォーマンスもあったんだけれど、「××ページをご覧ください」と言われるたびに手元の文庫本をめくり、役者の声を耳を傾け、舞台に絶えず眼をやるのは不可能に近い!無理!

点字版『資本論』がドイツ語と日本語で同時に読み上げられるシーン(目の見えない方がふたり参加していました)は、ドイツ語が掻き消えて日本語しか聞き取れなかった。(仕様?と思ったんだけれど、単に声量の違い?)

言い間違いがあったり、字幕(通訳)とセリフが一致していなかったりもしたけれど、この「即興的」な、予想のできない不確定要素が舞台を一層活き活きとしたものにしているんじゃないかと思う。
聞き取れないもの、見えないもの、もどかしいところも確かにあるんだけれど、それゆえに「自分の肌で感じる」ことのできる作品なんだなと思った。うまく言えないけれど。


そして、

役者たちが、それぞれの人生を語る。
「あれ、これ、本当の話?」というところからはじまり、ようやく安心したところで「特定の役を演じる役」が登場して振り出しに戻る。「どこまで本当でどこからがフィクション?」と困惑してしまった。夢か、現か。
実話だけれど演劇、だからこそ「ノン・フィクションなんだけれどフィクション」というのが、なんとなくしっくりくる……かな?


普段とは違う頭の使いかたをして、ものすごくカロリーを消費した気分になっています。でも、ここまで「ナマモノ」といった印象を与える作品を見るのははじめてで、すごくおもしろかった

今回の公演は東京特別バージョンということで、日本人キャストが新たに加わっているとのこと。ドイツ語と日本語が交錯するさまはとても刺激的でした。ポリフォニー。目の見える人、見えない人、言葉が通じる人、通じない人……と、さまざまな「声」が表現されているのが興味深かった。

オリジナル・バージョンは、どんな感じで演出していたのかな。見比べることができるなら、それも楽しいかもしれない。


見に行ってよかった。
お芝居の告知をしてくれたお友達に感謝!

http://festival-tokyo.jp/program/capital/index.html
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ドイツ生まれ、ドイツ育ちの「なんとなく日本人」。根っからのラインラントっこ。

日本の大学院で現代ドイツ文学を勉強中。ただいま、ドイツにて「しゅっちょう」修行の旅の途中。今やすっかりメクレンブルクの空と大地と海に心を奪われています。
夢は、日本とドイツをつなぐ「ことばや」さんになること。

深刻になりすぎず、でも真剣に。
こつこつ、しっかり、マイペース。がんばりすぎない程度にがんばります。

2010年4月-9月までロストック(メクレンブルク・フォアポンメルン州)、10月-2011年3月までベルリンに滞在。再度ドイツに留学することが、今後の目標のひとつ。

ぽつぽつと、不定期的に過去の日記を埋めていきます。


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