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ゆうゆう自適。

つらつら、まったり。つれづれ(不定期)雑記帳。海風薫るロストックから伯林、そして再び東京へ。再びドイツへ「帰る」日を夢見て、今日も今日とてしゅぎょう中。
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ベルリンのSバーンには、東西ドイツの歴史が刻まれている。
 
戦後、ベルリンのSバーンは、東西にかかわらず東ドイツ国鉄によって運営されることになった。運賃も西ベルリン側の乗りものに比べると格安に設定されていたため、全ベルリン市民が好んでこのSバーンを利用していた。
ベルリンの壁が建設され、東西を行き来していた路線が分断されても、東ドイツによる運営は変わらなかった。「西ドイツ側で支払われた運賃(西ドイツマルク)は、壁を覆う有刺鉄線に使われる」――やがてそのようなうわさが流れはじめ、西ベルリン側でSバーンのボイコットがはじまった。結果、いくつもの路線が休線もしくは廃線に追い込まれたという。
 
ヨーンゾンのBerliner Sachen『ベルリン事情』は、ベルリンのSバーンがどのような役割を追っているか、また、西ベルリン市民によるボイコットがいかに的外れなものであるかについて言及しています。(当然、この文章を発表することによってヨーンゾンは不評を買います)
一年ほど前、日本で読んだときはそれほど実感がわかなかった。先日のStammtischで知り合った方から、「ベルリンという街の歴史を知る上で重要なエッセイ」であるという連絡を受けていなければ、このタイミングで再読することもなかったかもしれない。
 
ベルリンにはRINGという環状線のSバーンが走っています(勝手に「ベルリン版山手線」と呼んでいる)。このRINGは、今ではベルリンの中心部をぐるっと回っているけれど、1961年以降はGesundbrunnen~Sonnenalleeの区間、すなわち西ベルリンのエリアに限定して走行していました。当然、旧東ベルリン地区であるPrenzlauer BergやFriedrichsheinには行けなかった。この区間を再び走れるようになって、まだほんの20年しか経っていない。自分がこの世に生を受けたあとの話。何度も何度も思うけれど、西の片田舎では想像もつかないような出来事が、ここでは起こっていたんだ。
 
RINGの歴史同様に印象深かったのは、Sバーンの車体のカラーリング。「赤の上にイエロー」と、ヨーンゾンは述べています。そうか、ベルリンのSバーンの車体は、40年以上も前から(正確には、戦前から)この色なんだ。Sバーンのデザインはエリアによって少しずつ異なるけれど、ベルリンのようなカラーリングはほかに見たことがない。
その旨をメールで伝えると、「実は色合いも時代とともに少しずつ変わっているんだよ」というお返事をいただきました。写真も添付してあって、感激。Sバーンの歩んできた道は、ベルリンっ子の記憶にも刻まれているのね。
 
 
ロストックにいたころは、自分はドイツの自然の真っただ中に身を置いているんだって思っていた。今、自分は、ドイツの歴史の真っただ中にいる。
 
どうしよう、わくわくする。
ロストックもメクレンブルクも大好きだけれど、これは「古巣に帰らせていただきます」とか言っている場合じゃない。
 
もっともっと、ベルリンのことを知りたい。
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ドイツ生まれ、ドイツ育ちの「なんとなく日本人」。根っからのラインラントっこ。

日本の大学院で現代ドイツ文学を勉強中。ただいま、ドイツにて「しゅっちょう」修行の旅の途中。今やすっかりメクレンブルクの空と大地と海に心を奪われています。
夢は、日本とドイツをつなぐ「ことばや」さんになること。

深刻になりすぎず、でも真剣に。
こつこつ、しっかり、マイペース。がんばりすぎない程度にがんばります。

2010年4月-9月までロストック(メクレンブルク・フォアポンメルン州)、10月-2011年3月までベルリンに滞在。再度ドイツに留学することが、今後の目標のひとつ。

ぽつぽつと、不定期的に過去の日記を埋めていきます。


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