ゆうゆう自適。
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メクレンブルク出身の低地ドイツ語作家、フリッツ・ロイター(Fritz Reuter, 1810-1874)の生誕200年を記念する催しものに行ってきました。
たまたま大学のHPで告知を見かけて、メールで参加申し込みをしたのが10日ほど前。昨日まで、会場は大学だとばかり思っていた。
そうじゃ、なかった。
なんと会場は、メクレンブルク・フォアポンメルン州の代表部。
このロイターの催しものは、州を挙げての一大イベントと考えて間違いなさそう。うわわわ。本格的だ。
申し訳程度に(本当にたかが知れている)、ちょっと落ち着いたトーンの恰好で出かけることに。
メクレンブルク・フォアポンメルン州の代表部があるのは、ポツダム広場のすぐ近く。
通りの名前(In den Ministergärten、「公使庭園」?)からして、いくつか代表部がまとまっているんじゃないかと予想はしていたけれど、ビンゴだった。
さすがに全部ではなかったけれど、ヘッセン州、ニーダーザクセン/シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州(ひとつの建物にふたつの代表部が入っているところもある)、ラインラント・プファルツ州……と、代表部の建物が続いている。正面玄関に各州の紋章の入った旗が立っているので、すごくわかりやすい。
メクレンブルク・フォアポンメルン/ブランデンブルク州の代表部も、特に迷うことなく見つかった。
講演がはじまるのは17時からだけれど、まず16時からティータイムが設けられていた。
コートをクロークに預けるなり、スイーツ・ビュッフェに直行!
調子に乗ってケーキを3つも食べてしまった。
チーズケーキがあんまりおいしくてつい……。
ロイター関連の書籍を並べたスタンドも冷やかしてみる。
「低地ドイツ語初心者なんだけれど、どれからはじめるのがよい?」と尋ねてみた。
代表作を読むならば「標準ドイツ語翻訳」を読むのがおすすめらしい。(すなわち、低地ドイツ語で読むのは骨)
短編集なら、標準ドイツ語対訳つきの本もあるとか。……ううう、もうちょっと待ってから買おう。
まずは、低地ドイツ語-標準ドイツ語の辞書がほしいな。
家に(間違って買った)標準ドイツ語-低地ドイツ語のがあるんだけれど、これは本を読むのには使えない。
催しものは前半部と後半部に分かれていて、前半部はアカデミックな講演が2本、後半部はロイター生誕200年を記念したドキュメンタリ(初公開!)と、フリッツ・ロイター劇団のパフォーマンスを鑑賞。
パフォーマンスのほうはすべて低地ドイツ語で行われていて、もうさっぱりわからなかった。いわゆる「笑いどころ」もよくわからなくて、何度取り残されたことやら。こ、これはさみしい。切ない!
みんなわかるということは、割とメクレンブルクっ子が多かったのかしら……。
年齢層はかなり高めだし、「プラットドイチュのネイティヴだぜ」という方々ばかりなのかもしれない。
低地ドイツ語がわからないのは残念極まりないけれど、雰囲気はなんとなく感じ取れたし、なによりフリッツ・ロイターについていくらか詳しくはなったと思うので、来てよかった。
終了後、なんと夕食のビュッフェも用意されていた。
家に帰ってからご飯作るの面倒だなあと思っていたところだったので、まさに渡りに船!
またもや調子に乗ってがっつり食べました。
さすがにケーキには手は出さなかったけれど。
ひとりでもくもくと食べていたら、途中で何人かが同じスタンド・テーブルに着いた。
「あなたは低地ドイツ語がわかるの?」と訊かれた。
……よくよく考えてみると、自分の存在はこの中ではかなり浮いているはず。
大学のゼミ生(ロイターゼミ)が何人か来ているから、最年少というわけではないけれど、たぶん「唯一のアジア人」ではある。低地ドイツ語とか、ある意味マニアックだしなあ。
ウーヴェ・ヨーンゾンからフリッツ・ロイターにたどり着いたというと、正面に立っていた女性が感激していた。かつて、ヨーンゾンを読みながらメクレンブルクを旅したことがあるのだと。同じだ!
「名刺を忘れちゃったの、残念ね」と言われたので、「じゃあせっかくなので連絡先を教えてください」と手帳にメールアドレスを書いてもらった。ついでに、自分のアドレスも渡す。
そんな感じでまったり今日の催しものについて話していると……
話の流れで、目の前の女性が女優さんであることを知る。
というか、さっき見たロイター・ドキュメンタリに出演していた女優さん(ロイターの妻・ルイーゼ役)だ!うわあああ!き、気がつかなかった。めっちゃ気安くメールアドレスの交換をしてしまった……。
「12月にはまたベルリンに戻ってくるから(これからフリッツ・ロイター劇団と巡業に出るらしい)、お茶でもしましょうね」とまで言われた。なんてこった。
しかしものすごく気さくな方で、ひとりぽけっとしていたわたしを気にかけてくれたらしい。なんていいひと。
本当にお茶が実現するかどうかは別として、連絡はちゃんとしよう。
家に帰ってから調べてみたところ、かなり有名な女優さんであるらしいことが発覚。
し、失礼はなかっただろうかと、今更ながらどきどきする。
一大スペクタクルな夜だった。
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かれんだー
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ぷろふぃーる
日本の大学院で現代ドイツ文学を勉強中。ただいま、ドイツにて「しゅっちょう」修行の旅の途中。今やすっかりメクレンブルクの空と大地と海に心を奪われています。
夢は、日本とドイツをつなぐ「ことばや」さんになること。
深刻になりすぎず、でも真剣に。
こつこつ、しっかり、マイペース。がんばりすぎない程度にがんばります。
2010年4月-9月までロストック(メクレンブルク・フォアポンメルン州)、10月-2011年3月までベルリンに滞在。再度ドイツに留学することが、今後の目標のひとつ。
ぽつぽつと、不定期的に過去の日記を埋めていきます。