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ゆうゆう自適。

つらつら、まったり。つれづれ(不定期)雑記帳。海風薫るロストックから伯林、そして再び東京へ。再びドイツへ「帰る」日を夢見て、今日も今日とてしゅぎょう中。
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アルベルト・フランケッティのオペラ「GERMANIA」を観に行きました。
……「ゲルマーニア」?「ゲルマニア」?イタリア語歌劇なので、発音は「ジェルマーニア」なんだけれど。

タキトゥスの『ゲルマーニア』が念頭にあったため、舞台が「1806年ドイツ」と知ったときはちょっと面食らった。ドイツ・ナショナリズムの時代!そして登場人物はフェデリコ、カルロ、ジェイン……といかにもゲルマン系ではない名前の面々ばかり。

「なんちゃってドイツ歌劇」だったらどうしよう……と、どきどきしながら観に行ったせいか、いい意味で期待を裏切られました。
割とモダンな演出で、ときどき「見づらい」こともあったけれど、影の使いかたが非常に印象的で面白かった。


1806年、ナポレオンの支配下にあるドイツ。
学生であるフェデリコとカルロ、およびその仲間たちは、ドイツ解放のために水面下で活動を行っていた。

フェデリコが不在の間、婚約者であるリーケはカルロに誘惑されていた。
フェデリコとカルロの決闘を未然に阻止するため、リーケはこの件に関して黙秘せざるを得ない。

しかし結婚式の当日、良心の呵責からリーケは失踪、フェデリコは彼女とカルロの間にあったできごとを察してしまう……。


政治的な内容のオペラかと思いきや、結構恋愛よりのストーリーでした。

フェデリコとカルロ、
フェデリコとリーケ、
リーケとカルロ……

たしかに妥当ナポレオンを目指して学生が談義していたり(フェデリコ、カルロの友人はフィヒテ、フンボルト、シュレーゲル兄弟……と豪華メンバー勢ぞろい)、実際にナポレオン軍に戦いを挑んだりしているけれど、それ以上に「人間模様」がクローズアップされている。


当初、リーケとカルロの関係がよくわからず、「???」となりながら観劇していましたが、全体としては非常に理解しやすい筋。音楽は、プッチーニのような華やかさと、ワーグナーのような重厚さを持ち合わせている……というのが、わたしの受けた印象。

フェデリコが自らの名誉をかけてカルロに決闘を挑む際、まさかのルイーゼ王妃が登場、ふたりを和解させたのにはさすがにびっくりした。(ルイーゼ王妃の歌唱は1分弱)


しかし、この時代は「誘惑者」が一方的に悪者になるんでしょうか?
フェデリコはリーケを責めず、リーケも(フェデリコと引き裂かれたことについて)カルロを一方的に恨もうとする(が、フェデリコに諭されてカルロを赦す)。常に「リーケは(残酷な運命の)被害者」という描かれかたになっているのが、ちょっと気になった。


DSCF4870.JPG


ああ、ドイツ・ロマン派の生きた時代だなあ……と、台詞(歌詞)の端々からうかがえた。
……でも、ここで「なつかしい」と思うのはアウトであって、もっと勉強しておけばよかった!というが正直なところ。
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モーツァルトのオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」Così fan tutteに行ってきました。
演出はドイツ人映画監督・オペラ演出家・作家のDoris Dörrie(らしい)。

とある姉妹の恋人ふたり(男性)が、それぞれの貞節を試すために互いの相手を口説いたら、なんと姉妹そろって心変わりしてしまった……という喜劇。

1960年代(推定)に舞台を移した演出は、なかなか度肝を抜くものでした。
「フィガロの結婚」と同様、伝統的な演出を(勝手に)想定していたせいでもある。リブレット本文はそのままに、カラフルでキッチュで奇抜な雰囲気の舞台が展開される。衣装も、建物も。「戦場に赴く士官」フェルランドとグリエルモがサラリーマンなのが面白い。(それでもリブレット本文と舞台設定がぴったり合っているのがすごい)

最初こそ「えー」と思っていたけれど、ソリストたちの歌も演技もすごくいいし、話が進むにつれてどんどん楽しくなっていった。
ばたばたしすぎていて筋の予習すらできなかったんだけれど、舞台と字幕を読んだだけで問題なくついていけた。(このあたりはモーツァルト・オペラとストラヴィンスキー・オペラの違いでしょうか……)

演出が細かくて、なんだかよくわからないところもいくつかあったんだけれど、女性陣(フィオルディリージとドラベッラ)の着用しているカツラはファッションと理解していいのかな?(おしゃれなら「ウィッグ」というべきか……)


斬新ですごく面白かった。
こういう演出の仕方もあるんだなあ。

Doris Dörrieは映画「Männer」を断片的に観ただけだけれど、あの作品も(断片のみで判断する限り)面白そうな演出が組み込まれていたし、こういうのを得意とする監督・演出家なのかしら。映画もちゃんと観てみたいなあ。

クリスマス当日。
友達と3人でオペラ「フィガロの結婚」を観に行ってきました。

すごく有名な演出家の手掛けた舞台であると聞いて、ものすごく期待が高まっていたのだけれど、その期待を裏切らないすてきな公演でした。

家臣・フィガロの結婚をめぐるどたばた劇。
「セビリアの理髪師」の続編にあたる作品(ただしロッシーニ版は「フィガロ」よりもあとに完成)ですが、前作を知らなくても十分楽しめるつくりになっています。

フィガロとスザンナ、
スザンナに横恋慕する浮気者の伯爵、
伯爵の心離れを嘆く夫人ロジーナ、
惚れっぽい小姓のケルビーノ……

どの登場人物もいとおしくってにくめない。

オケの演奏やソリストたちの歌唱力がよい、というのももちろんありますが、ソリストの細やかな演技がとても印象に残りました。コミカル、かつ、キュート。劇場全体が心地よい笑いに包まれることもしばしば。

特に、当初フィガロと結婚しようとしていたマルチェリーナと、フィガロに復讐しようとしていたドン・バルトロが実はフィガロの実の両親であることが判明し、めでたしめでたし……となるくだりが面白かった。

少年ケルビーノを演じるのは女性なのですが、これまた可愛い!
こんな男の子にぺたぺた触られても、お姉さま方は怒れないよね。

そんなケルビーノの「恋とはどんなものかしら」。
曲は知っていたけれど、歌として聴いたのははじめて。

冒頭のフィガロとスザンナが新居について話しているシーンの劇中曲も、その昔ピアノで引いたことのある曲だった。初級用の楽譜で、「フィガロの結婚より」というタイトルしかついていなかったから、どんなシチュエーションで歌われるのか見当もつかなかった。15年近く抱えていた謎が、今日ようやく解決。


舞台もファンシー。

DSCF4070.JPG

見えにくいですが、舞台の周りにお花がちりばめられています。
「わあ、お花……」と思っていたら、隣で友達が「あれなに?ゴミ?」とか言っているのが面白くて吹いた。ゴミじゃない!ゴミじゃないと信じたい!(誰にも花だと言われていないけれど、花だよね、あれ?)


素晴らしい内容だっただけに、舞台装置の切り替えにやたらと時間がかかって、テンポが多少悪くなっていたのが残念。第3幕→第4幕と移行するあたりなど、暗転してから5分ほどそのままに……。
さすがに会場もざわざわしはじめて、隣に座っていたおばあさんなど「フィガロの結婚式が無事に行われたのだから、もう終わりなのよね?」と訊いてきて、「いやいやこのあとまだ続きがあります」と説明するのに必死だった。最初、気を利かせてジョークでも言ったのかと思ったけれど、目は真剣そのもの。あー、焦った。
 

DSCF4071.JPG DSCF4072.JPG


でも、全体的には本当に本当によい公演でした。

今まで、シラー劇場で観た「トスカ」が自分の中でダントツだったけれど、「フィガロの結婚」はそれに匹敵するくらい素晴らしかった。テンポさえ悪くなかったら、「今まで観た一番よいオペラ」になっていたかも。


外は、ホワイト・クリスマス。
観劇後は近くのレストランに入って、おしゃべりしながらまったりご飯。

こういうクリスマスもまた、よいねえ。

エクトル・ベルリオーズのオペラ「トロイアの人々」(Les Troyens)を観に行きました。

「トロイアの人々」は、ヴェルギリウスの『アエネーイス』を題材としたオペラ。全編通してフランス語なので若干の違和感はあるものの(そんなこと言ったら、以前観た「三文オペラ」の時点でアウトなのはわかっている)、筋は『アエネーイス』の1巻と4巻(トロイア戦争~カルタゴの女王ディードーの死)に非常に忠実な作品です。

全五幕からなるオペラで、もともとは第一部(第一幕・第二幕)と第二部(第三幕~第五幕)にわかれて上演されていたのだそうです。1969年以降、「完全版」として上演するのが常となっていますが、なにしろ「Two-in-One」の構造を持っているため、上演時間がかなり長い。途中で長めの休憩も入るので、全上演時間は5時間強。結構な体力勝負であります。

つい先日、ベルリン・ドイツ・オペラで初演を迎えたこの舞台、とても見応えがありました。

第一幕・第二幕の舞台は滅びゆくトロイア。

正直カッサンドラの演出(始終編みものをしながら、トロイアの行く先を嘆く。編んでいるのは馬のかたちをしたなにか?)がよくわからなかったのですが、カッサンドラを第一幕・第二幕の主役にしたのは面白い試みだと思います。『アエネーイス』は、生前のカッサンドラにとりたててスポットを当ててはいないので(後半部に黄泉の国で再会したときにもうちょっと取り上げられるくらい)。
なんだかんだでカッサンドラは修論で扱った題材なので、とても関心のある人物像なのだけれど、観劇中はヴォルフ版カッサンドラとごっちゃになってしまってちょっとややこしかった。「えー、カッサンドラって旦那さんとこんなに相思相愛だったっけ?」とか突っ込んではいけないんだろう。(しかもヴォルフ版はカッサンドラとアエネアスが恋仲であるという設定なので、更にややこしい)

伝承のカッサンドラはギリシア軍に捕えられ、アガメムノンの妾にされた挙句、アガメムノンともどもクリュタイムネストラに惨殺されるのですが、ベルリオーズのカッサンドラは「名誉を守るために」自ら命を断ちます。
相当ヴォルフ版を引きずっていますが、いつか、カッサンドラ表象についてなにかやってみたいなあとぼんやり思う。なにせ、未だに修論を精算しきれていないわけだし。

想像よりもややふくよかなカッサンドラでしたが(失礼)、歌はとても素晴らしかった!

第三幕~第五幕の舞台はカルタゴ。
ディードーとアエネイスの出会い、恋、そして別れ。

ディードーってアモルに矢を打たれてアエネイスに恋をした(させられた)のではなかったかな?(アエネアスの母・ヴェヌスの策略)ベルリオーズのディードーは、ごくふつうにアエネアスと恋に落ちた模様。

使命を全うするためにカルタゴを去るアエネアスを恨むディードーの鬼気迫る歌声に圧倒された。美人さんだったから、なおさら。

ヒロインの存在感がすごいので、アエネアスが霞みそうですが、彼はとても渋くて恰好よかった。
唯一残念なのは、「父アンキセスを背負ってトロイアから脱出するアエネアス」がまったく描かれていないこと!アンキセスなんて名前のみの登場です。おとやんどこに行ったの!まあ、カルタゴに着いた時点ではなくなっているので、登場させなくても筋に影響はないんだけれど……。

『アエネーイス』の1巻と4巻は高校のときに扱った作品で、思い入れもある。これらを舞台で観ることができて、大満足!


トロイア戦争といえばギリシア側から描かれた『イーリアス』『オデュッセイア』が有名ですが、トロイアサイドの物語に関心のあるかたは、『アエネーイス』を読んでみてはどうでしょう?全12巻ですが、おもしろどころは1巻・4巻・6巻なので(2・3・5巻はひたすら漂流中)、ここだけ読むのもアリだと思う。

Yちゃんを見送ったあと、Komische Oper Berlin(ベルリン・コーミッシェ・オーパー)に行ってきました。本日の演目はDie Meistersinger von Nürnberg「ニュルンベルクのマイスタージンガー」!なんと(休憩2回含めて)5時間半という長丁場。
 
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ドイツ語のオペラを観るのは、はじめて。
座席の前に字幕が表示されるスクリーンがあって、この字幕を見ては舞台を観る……というのを繰り返すうちに、「歌詞」か「舞台」のどっちかにしか注意が向けられなくなって、第一幕後半はつらかった。
疲れがたまるにたまって、第三幕序盤~中盤にかけてところどころで意識がなくなり、ザックスとベックメッサーの「歌詞の書き付けのやりとり」がすっぽり抜けていた。サイアク。
限りなくぐだぐだですが、それでも全体の筋はちゃんと追うことができたし、楽しめました。騎士ヴァルター(テノール)がイケメンだなあとぼんやり思っていたら、後半では靴屋のハンス・ザックス(バス)寄りに。格好いいオジサン、いいよね。
 
ラスト、ドイツ芸術への賛歌があるのですが、歌詞を座席前のモニターで見ていて、ワーグナーがナチスに都合よく利用されたのもわかるような気がした。こういうのは、ちゃんと観て、聴かないとわからない。
 
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ながーいながーい夜だったけれど、充実した観劇でした!
機会があったら、ほかのワーグナー作品も観たいんだけどな。近いところだと「タンホイザー」、来年3月に「トリスタンとイゾルデ」…さてどうなるでしょう。

かれんだー

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ドイツ生まれ、ドイツ育ちの「なんとなく日本人」。根っからのラインラントっこ。

日本の大学院で現代ドイツ文学を勉強中。ただいま、ドイツにて「しゅっちょう」修行の旅の途中。今やすっかりメクレンブルクの空と大地と海に心を奪われています。
夢は、日本とドイツをつなぐ「ことばや」さんになること。

深刻になりすぎず、でも真剣に。
こつこつ、しっかり、マイペース。がんばりすぎない程度にがんばります。

2010年4月-9月までロストック(メクレンブルク・フォアポンメルン州)、10月-2011年3月までベルリンに滞在。再度ドイツに留学することが、今後の目標のひとつ。

ぽつぽつと、不定期的に過去の日記を埋めていきます。


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