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ゆうゆう自適。

つらつら、まったり。つれづれ(不定期)雑記帳。海風薫るロストックから伯林、そして再び東京へ。再びドイツへ「帰る」日を夢見て、今日も今日とてしゅぎょう中。
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西北メクレンブルク、Klützer Winkel(クリュツァ・ヴィンケル、クリュツの一角)に行ってきました。
正確に訪れた場所はクリュツと、ドイツで二番目に古い海水浴場Boltenhagen(ボルテンハーゲン)です。(ちなみに最古の海水浴場はハイリゲンダム)

なぜクリュツかというと、ひとつはここにヨーンゾンの文学館があるから。もうひとつは、ここがJahrestageに登場する架空の町Jerichow(イェーリヒョー)は、規模的にも地理的にもちょうどクリュツと一致するとされているからです。(ヨーンゾンと直接ゆかりのない町に文学館があるのはこのため)

架空の町イェーリヒョーと、架空の海水浴場Rande(ランデ)。
実在する町クリュツと、実在する海水浴場ボルテンハーゲン。

そっくりそのままモデルになっているわけではありませんが、なんともロマンをかき立てる設定ではないですか!
そんなわけで、メクレンブルクにいる間に絶対に行かなければ、とずっと思い続けていた場所のひとつです。気がつけば、ロストック生活の締めくくりみたいな日程になってしまった。


ロストックを出たときは雲が重たく、だいじょうぶかな?と不安になりましたが、電車に乗っているうちに雲の切れ目から光が差し込み、乗り換え地点のヴィスマールに到着するころにはすっかりいいお天気。ちゃんと日光を浴びたの何週間ぶりだろう。

クリュツへ行くには、まず電車でヴィスマールまで行ってからバスに乗り換え。結構近そう、と思いきや、片道2時間。バスは1時間に一本しか走っていないので、ややアクセスが不便な場所。(土日祝日は更にシビアで、1日に5本程度しか走っていない)

DSCF7774.JPGバスが到着するまでちょっと時間があったので、駅周辺を散策することに。
そういえば、前回ヴィスマールに来たのってもう5カ月も前だ!えええ、信じられない……つい最近来たような、そんな気ばかりするのに。記憶だってまだまだ鮮明で、地図がなくても周辺くらい余裕で歩ける。(ヴィスマールが比較的小ぢんまりしているからかもしれないけれど)
そんなわけで、駅から一番近い聖ニコライ教会の辺りをうろうろ。さすが世界遺産に登録されている街、平日の午前中から観光客の姿がちらほらと。


DSCF7772.JPG

小橋の上から撮った写真。
前来たときはこの(今自分が立っている)橋の上で子どもたちが遊んでいて渡れなかったので、このポイントからの写真が撮れなかったんだよねー。復習、復習。

バスの時間に遅れるといけないので、早めに乗り場に戻って待機。
普通の市バスが来るのかと思いきや、なんか観光仕様の席が立派なバスが来てちょっとびっくり。Fischland行ったときみたい!そうね、行先は一応リゾート地だもんね……。

バスに乗ること約40分。
途中でふと眠ってしまって、目を覚ますと目の前に海が!
あああ、そうだ、しばらくは海沿いに走るんだった。

DSCF7776.JPG

ほどなくしてクリュツに到着。人口3000人ちょっとの、小さな町です。
町のシンボル・聖マリエン教会がすぐ目の前にあったので、さっそく入ってみることに。

DSCF7784.JPG DSCF7782.JPG DSCF7781.JPG 

これまで見たれんが造りのバロック様式教会の中では、一番質素な感じがした。静謐に包まれた空間。祈りの場。
ロストックの聖ペトリ教会も煌びやか!という感じの教会ではないんだけれど、こちらのほうがもっともっと、落ち着いている。ステンドグラスも最小限だし、絵画も、正面の磔刑像以外は見当たらなかった。

さっそく毒されているわけではないけれど、Jerichowに登場するペトリ教会ってこんな感じだったんじゃないかな、と思った。すとん、と収まった気がする。実写版Jahrestageのペトリ教会にすごくよく似ている、というのもあるかもしれない。(まさかとは思うけれどここで撮影していないよね……)


教会を後にして、ヨーンゾン文学館を目指す。なんとインフォメーションも兼ねているので、すぐに見つかるはず……見つかりますように。ひとまず、先へと続く坂道を下りてみる。

DSCF7785.JPG

途中で見かけた建物の壁に、クリュツの紋章。きゅーと!

坂を下りると、すぐ目の前にウーヴェ・ヨーンゾン文学館がありました。

DSCF7786.JPGDSCF7787.JPGドイツでは数少ない、「作家の生家ではない文学館」なのだそうです。前述したようにイェーリヒョーとクリュツを重ね合わせ、主人公ゲジーネの母方の一族パーペンブロック家の住処を彷彿とさせる納屋をリフォーム、2006年に文学館としてオープンしました。
ロゴがね、とってもすてき。若かりしころヨーンゾンと、トレードマークのパイプのシルエット。

さっそく中に入ってみると、いかにもインフォメーションという感じでちょっと面白かった。図書館も入っているし、朗読会が行われたりもするようで、文化的生活の中心みたいな役割を果たしているのかも。

入場料を払って、常設展示コーナーに移動。

DSCF7788.JPG

図書館のコーナー。
ヨーンゾンの写真を使って「UWE JOHNSON」の文字が。

DSCF7790.JPG 

展示室はこんな感じ。
ヨーンゾンの著作や、彼に関するパネルが展示されています。
あんまり時間がなかったので、出典をまずチェックして、家にある文献が載っているパネルはスルー。読んだことのない記事はがんばってデジカメで撮影。ベルリンに行ったら国会図書館で古い新聞記事に当たりたい。

DSCF7799.JPGDSCF7804.JPGミスタ・ヨーンゾン。日本の独文会でたまに「おじーさん」と呼ばれたりしていますが、これでも40代です。(49歳で亡くなっているので、どんなに老けて見えても40代)
気難しがりやなひとだったみたいですが、なかなか渋めの美形じゃない?と思っております。若かりしころはイケメンですよ!

DSCF7820.JPGDSCF7813.JPGJahrestage(初版)の表紙と、New York Timesの記事。初版はデザインがすてきなので、実はちょっとほしい。ゼミの仲間が持っていてうらやましかったなあ。ペーパーバックはコンパクトで持ち運びしやすいけどその分味気ない。

インタビュー番組と、ヨーンゾンの短編を基にしたショート・フィルム(以前、講演にゲストとして登場した脚本家の処女作)を見ることのできる一角もありました。ショート・フィルムはほかで見ることができないみたいなので、貴重かも。

DSCF7822.JPG DSCF7823.JPG

せっかくなのでイケメン・ヨーンゾンもどうぞ。
一番上、一番下の写真がシルエットに近いかな。

DSCF7824.JPGちなみに、ここの受け付けの方はとても親切で、道を尋ねたらちゃんと教えてくれた。さすがインフォメーション。
ヨーンゾン関係のショップも併設されていて(といっても、受け付けのひとがぜーんぶ兼任)、本が並べてありました。残念、全部持ってる……。

帰り際になりますが、外に展示されていた「ヨーンゾン・シルエット入りのポスター」がすてきで、思わずお持ち帰りすることに。問題は、どうやってこれをベルリン(ひいては日本)まで綺麗に運ぶかということ。郵便局で筒状のケース買うか。送らないけど。


さて、ここから海水浴場ボルテンハーゲンに移動します!
バスは一時間に一本しか走っていないので、ここは歩きです。ゲジーネもイェーリヒョーからランデまで歩いていたんだな!と想像しながらの歩きです。

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ドイツ生まれ、ドイツ育ちの「なんとなく日本人」。根っからのラインラントっこ。

日本の大学院で現代ドイツ文学を勉強中。ただいま、ドイツにて「しゅっちょう」修行の旅の途中。今やすっかりメクレンブルクの空と大地と海に心を奪われています。
夢は、日本とドイツをつなぐ「ことばや」さんになること。

深刻になりすぎず、でも真剣に。
こつこつ、しっかり、マイペース。がんばりすぎない程度にがんばります。

2010年4月-9月までロストック(メクレンブルク・フォアポンメルン州)、10月-2011年3月までベルリンに滞在。再度ドイツに留学することが、今後の目標のひとつ。

ぽつぽつと、不定期的に過去の日記を埋めていきます。


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